日本代表にとって歴史的初勝利となったブラジル戦。日本通のブラジル人記者に両チームの論評とともに、パラグアイ戦を含めた日本代表10月の2試合を振り返ってもらった。〈NumberWebレポート:全3回。第2回につづく〉

「体が震えた」「僕の人生にとって記念すべき出来事」

「愛するサムライブルーと母国のセレソン(ブラジル代表)の対戦だけど、ブラジル人であることを忘れて、日本を応援していた。後半26分、日本が3点目を奪って大逆転。終盤、残り時間が少なくなり、セレソンの猛攻に必死に立ち向かう日本選手を見ていたら、体が震えてきた」

「前半、日本はセレソンの素早いパス回しに付いていけず、2失点。でも、後半はブラジル守備陣のミスがあったとはいえ、伊東純也、堂安律、中村敬斗、上田綺世らが輝き、守備でも鈴木淳之介らが奮闘した。見事な勝利だった」

「日本は、このような偉大な勝利を必要としていた。これは、来年のワールドカップ(W杯)へ向けて大きな弾みになる。森保一監督に、チーム最高の8.0点を進呈したい。日本のメディアとファンから厳しい批判を受けたこともあったが、結果を出すことで逆風を乗り越えてきた。世界の名将カルロ・アンチェロッティを敵に回し、一歩も引かなかった」

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 ブラジルメディアきっての日本通チアゴ・ボンテンポ記者は、興奮していた。

 日本のアニメや漫画の虜になったことがきっかけで日本文化に興味を覚え、やがて日本のフットボールに注目するようになり、日本のフットボール全般に関する記事をブラジルで発信してきた。「この試合は、僕の人生にとって記念すべき出来事となった」と語る。

ブラジルのレギュラーは3人だが所属クラブは…

――まず、日本の先発メンバーをどう思いましたか?

「日本の最終ラインは、故障者続出で編成が苦しい。パラグアイ戦で非常に良いプレーをした鈴木とまずまずだった渡辺剛はいいとして、もう1人を誰にするか。瀬古歩夢と谷口彰悟の二択で、森保監督はベテラン谷口を選んだ。攻撃陣では、久保建英は故障上がりなので後半からの出場だろうと思っていたので、先発したことに驚いた」

――対戦相手のセレソンは、今回の遠征にGKアリソン、CBマルキーニョス、FWラフィーニャが故障のため参加しておらず、なおかつ韓国戦で当面のベストメンバーを起用。アンチェロッティ監督は、先発メンバー8人を入れ替えた。

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