韓国・巨済(CNN) 「米国の造船業を再び偉大に」との目標を掲げるトランプ米大統領に、韓国から二つの造船所が協力を申し出ている。
韓国南東部の蔚山(ウルサン)にあるHD現代重工業の施設と、巨済(コジェ)にあるハンファオーシャンの施設だ。どちらも現在、韓国海軍向けに世界トップクラスの軍艦を建造している。しかも期限内に、予算内で。
両施設とも、誘導ミサイル駆逐艦、フリゲート艦や潜水艦を建造するのに必要な技術やノウハウを米海軍と共有する用意があると強調する。中国の艦隊が拡大を続ける一方で、米海軍の造船は今、危機に陥っている。
フェラン海軍長官は6月、米下院の公聴会で「すべてがぼろぼろの状態だ」「一番ましなケースでも6カ月遅れ、予算を57%オーバーしている」と訴えた。
米国の造船は何年も前から、慢性的に遅延や予算超過を繰り返してきた。その間に韓国は着実に前進した。
CNNは先月、現代重工業とハンファオーシャンの造船所を訪ね、韓国がどのようにして造船大国になったかを取材した。
ハンファの施設では、韓国海軍から受注したフリゲート艦4隻の組み立て用に新設したばかりの巨大な建物に案内された。この建物はわずか14カ月で完成したという。
建造されるフリゲート艦は全長122メートル、排水量3100トンで、防空ミサイルの垂直発射装置や対艦ミサイル、対潜水艦魚雷の発射能力を備える。
各艦の建造期間は3年前後。米議会報告によると、米国ではコンステレーション級フリゲートの建造計画がちょうど3年ほど遅れている。
大幅な遅れが出たのは、基になる予定だったイタリア、フランス海軍艦の設計に、米海軍が多くの変更を加えているためとされる。
だが韓国の造船所では、どうして作業がはるかに効率的に進むのか。

ウルサンにあるHD現代重工業の乾ドックで造船が進められる様子。画像の一部は報道規制に従いぼかしている/Gawon Bae/CNN
幹部らは労働力と物流がカギだと話す。
蔚山にある現代重工業の施設は、世界最大規模の造船所だ。ここの担当者らは、作業員やその長年の経験が最も重要だと説明した。3万2000人に上る従業員の勤続年数は、平均16年に上るという。
米キャンベル大学のサル・マーコグリアノ教授は、韓国の造船所は軍用艦と商用船の両方を手がけているのが強みだと話す。
新たな発注に応じて軍用と商用を切り替えることで、主力の作業員らを常に現場に配置しておくことができる。
マーコグリアノ氏によれば、造船大国だった米国が第2次世界大戦後、商用船の建造をコストの安い韓国や日本に外注し、軍用艦に専念したのは大きな間違いだった。
トランプ氏も8月、韓国の李在明(イジェミョン)大統領との会談で、「わが国は何年も前に、愚かにも造船業を捨ててしまった」と話した。韓国側が7月の関税交渉で初めて提示した「米国の造船業を再び偉大に」計画を、両首脳はこの会談で確認した。
ハンファの担当者はCNNとのインタビューで、韓国の造船会社は立ち止まることなく、絶えず建造工程を調整、改善していると強調した。
米海軍退役大佐のカール・シュスター氏によれば、韓国企業でこれが可能なのは、軍用と商用の造船所が共存しているからだという。米国の軍用造船所は国防総省からの受注が安定しないため、新たな設備投資を控える傾向がある。例えば作業の自動化に約150億円投資しても、議会で予算が削られれば、完成したころには作業がないという結果になりかねない。

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