(左から)北海道米販売拡大委員会 委員長 北海道農業協同組合中央会 代表理事会長の樽井功氏、北海道知事の鈴木直道氏、マツコ・デラックス、森崎博之、ホクレン農業協同組合連合会 代表理事会長の篠原末治氏

 ホクレンは10月22日、都内で北海道米の新米に関する発表会を開催した。

「ななつぼし」や「ゆめぴりか」に代表される北海道米だが、ホクレン農業協同組合連合会 代表理事会長の篠原末治氏によれば、全国的に水田の面積が減少傾向にあるなか、道内では昨年から作付面積を増やし、増産に取り組んでいる。

 ただ、今年は猛暑の影響もあり、作況単収指数については全国が102となっているのに対し、北海道は98となり、予想収量も前年を若干下回る見込み。それでも、主食用うるち米の1等米比率が昨年に続いて100%となるなど、高い品質を維持している。

 同氏は、猛暑による困難に加え、国際的な政情不安や円安の影響が米作りにおいてもコストアップの要因になっている現状を憂慮しつつも、北海道米の消費拡大を通じて生産者を応援してほしいと呼びかけた。

 続いて登壇した北海道知事の鈴木直道氏は、同日、道内で高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認されたとして対策本部を設置し、対応にあたっていることを明かした上で、「北海道は日本の食料供給地域。万全の措置を講じていく。流通している卵や鶏肉は安全に食べられる。丁寧に情報発信していきたい」と語った。

 米作りについては、北海道米の新たなブランド形成協議会 会長の稲村英樹氏の田んぼの田植えや稲刈りに参加し、鈴木氏自身、「生産者の苦労の一端を感じ、支えていく重要性を実感した」と振り返るとともに、篠原氏同様に「おいしい北海道米を食べていただき、そのことが北海道の生産者への応援になる」とアピールしていた。

 その後、ホクレン 米穀事業本部 米穀部 主食課 課長の喜多智宏氏が登壇し、直近の動向を紹介した。

上段左が「ゆめぴりか」、上段右が「ななつぼし」、下段左が「ふっくりんこ」、下段右が「そらきらり」

 北海道米の2大ブランドの1つとなる「ゆめぴりか」については、北海道米の新たなブランド形成協議会が中心となり高品質を担保する取り組みを続けており、精米タンパク7.4%以下という基準を設けつつ、生産目標としては6.8%以下を目指している。

 全道コンテストの開催を通じて、さらなる生産技術やブランド力の向上を図っていくが、11月に開催される今年の大会で最高金賞を獲得した米が12月中旬、金賞を獲得した米が2026年2月から数量限定で一般販売される予定となっている。

「ななつぼし」については、7月2日のななつぼしの日にあわせ、新千歳空港でイベントを開催。「ふっくりんこ」では、生産者が自ら品質基準を定める産地サミットを開催するとともに、2月9日をふっくりんこの日に設定。道内の寿司チェーンでの採用が決まったことが紹介された。

 持続可能な米作りという視点では、「えみまる」の増産にも取り組んでいる。田植えをせずに種もみをまいて育てる直播栽培が可能な品種となっており、田植えの省力化に寄与すると期待されている。味わいについても、ななつぼし並の高評価を得ているという。

 また、「そらきらり」という新品種についても紹介。こちらは安定した多収性があるほか、いもち病の抵抗性にも優れているとのことで、主に業務用での活用が進んでいるという。

 その後、壇上には北海道米のイメージキャラクターとなっているマツコ・デラックスと、道内の農業番組などで活躍する森崎博之が登場し、軽快なトークを繰り広げて北海道米をアピールした。

マツコ・デラックス森崎博之

 マツコは昨年からの米不足の騒動に際して、「農家の頑張りだけでは立ち行かなくなってきている。偉い人にきちんと考えてもらわないといけない」と指摘した上で、「生産者のみなさんのおかげでこんなにブクブク太っていられる」とユーモアを交えて米農家に感謝。「どこでも手に入りますとは言いづらいが、いつも以上においしいと口に出して食べてほしい」と呼びかけていた。

 日頃から農作業の現場での仕事が多い森崎は、いち早く各地の新米を食べているが、「農家が流した汗は毎年以上のはず。今年の米は味わいが深い。お米にストーリーがある。テレビをつけたら米の話をずっとしていたが、こんなに米と言ってくれた年はない。今年の米は大切だと実感できる」と熱く語っていた。

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