2025年10月21日 午後8時00分

福井県福井市の中心市街

人が動くたびに、地域には風が通り、新しい空気が流れ込む。それは“流出”ではなく、“めぐり”なのだと思う。その循環が続いていけば、地域は風通しがよくなっていく。

最近では、県外の人に向けた移住体験や滞在プログラムをよく見かける。けれど、県内の人に向けた“めぐり直し”のような企画があってもいいのではないかと思う。

たとえば、一度も県外に出たことのない人たちが、自分の住む地域を改めて“めぐる”企画。数日間、別の町や地域で過ごしてみる「滞在プログラム」や、ふだん通り過ぎてしまう場所を訪ねる“まちの再発見ツアー”。そうした体験の中で、「こんなにいい場所だったんだ」と気づくこともあるだろう。

それもまた、“めぐり”のひとつなのだと思う。

県内にいても、意外と自分の土地のことしか知らなかったり、時には“自分の土地のことすら知らなかったり”する。けれど、ほんの少し場所を変えるだけで、見える景色や出会う人が変わり、自分の中の価値観も変わっていく。

外からの視点を持たなくても、視点を動かすことで“めぐり”は起きる。めぐりとは、人の移動だけでなく、人と人が出会い、いろんな価値観に知ることでもあると思う。

出ていく人がいれば、入ってくる人もいる。やっぱり、ここは心地がいいなぁって感じる場所であること。他の地域から来る人を、心地よく迎えられること。

行ったり来たりしながら、人も地域も育っていく。そう思えば、どこにいても、また”めぐってくる場所”と思える。(まるこ)

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【ゆるパブコラム】一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)の発信の場として始まったコラムコーナー。福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などあらゆる立場の人が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。

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