ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア侵攻を終わらせる交渉の場としてブダペストは最適ではないと述べた。ハンガリーのオルバン首相が親ロシア的な姿勢だからだが、招待されれば出席すると語った。
オルバン氏は欧州連合(EU)の対ロシア制裁を再三にわたり阻止しようとし、プーチン大統領と会談するためにモスクワを訪れているとゼレンスキー氏は指摘。「あらゆる場面でウクライナを妨害する首相が、ウクライナ国民にとって何か前向きなこと、バランスの取れた貢献すらも、できるとは思えない」と述べた。
それでも、ゼレンスキー氏は「もしわれわれ3人が会う形式、またはトランプ大統領がプーチンに会い、別室でトランプ大統領が自分と会談する形式で招待されるなら、どちらでも自分は合意する」と続けた。
トランプ氏はプーチン氏と16日に電話会談を行った後、向こう数週間にブダペストで会談する計画だと明らかにした。両者は8月にも米アラスカの軍事基地で会談したが、戦争終結に向け目に見える進展はほとんどなく終わった。
その翌日の17日にホワイトハウスを訪問したゼレンスキー氏に対し、トランプ氏はウクライナへの軍事支援や新たな対ロシア制裁については言葉を濁しつつ、両国は「現在の戦線で今すぐ停戦」し、和平合意を結ぶよう促した。トランプ氏は以前、プーチン氏とゼレンスキー氏を直接引き合わせる考えに言及していたが、そこからは後退した様子で、それぞれ個別に会談する可能性に示唆した。

ウクライナのゼレンスキー大統領(17日、米ワシントン)
Photographer: Aaron Schwartz/Sipa/Bloomberg
ゼレンスキー氏はキーウで記者団に対し、「われわれは、効果を持つのであればどのような形式の会合にも応じる用意があると、公にも私的にも伝えている」と説明。「ブダペストがそのような会談に最適な場所だとは考えていない。もちろん、それで平和が実現できるのなら、どの国で会談を行うかは問題にならない」と語った。
ゼレンスキー氏は、ウィトコフ米特使との会談に「十分な時間を割き」、ブダペストが和平協議の場としてなぜ適切でないかを説明したと述べ、他の候補地としてスイスやオーストリア、バチカン、サウジアラビア、カタール、トルコなどを挙げた。
ゼレンスキー氏はプーチン氏に対する圧力を強め、米国に長距離巡航ミサイル「トマホーク」の胸脇を働き掛ける機会になると期待して、ホワイトハウスでの会談に臨んだ。だが、トランプ氏はモスクワやロシア領内深くを標的にできる強力な兵器をウクライナに提供する考えには消極的で、ゼレンスキー氏は成果なくホワイトハウスを後にした。
「ロシアが戦場で勝っているとの認識が米国の一部の間に存在している」とゼレンスキー氏は語り、「この戦争ではロシアが無条件で優位だと常に唱えている人々の中に、現職のハンガリー首相がいるように自分には思われる」と名指しで批判した。
ゼレンスキー氏はまた、ブダペストを会談の場とすることは歴史的な見地からも不適切だとトランプ氏に伝えたと明らかにした。ウクライナは1994年にブダペストで行われた会談で、ソ連時代の核兵器を放棄する見返りにロシアと米国、英国から領土保全の保証を受けることに合意したが、この合意は後でほごにされた。
それでもゼレンスキー氏は、「戦争終結の可能性に向けて我々は近づいている。それは確かだと言える」と発言。「それが必ずしも戦争が終わることを意味するわけではないが、トランプ大統領は中東で多くの成果を挙げた。その流れに乗って、今度はロシアのウクライナ侵攻を終わらせたいと考えている」と語った。
原題:Zelenskiy Slams Budapest as Putin Summit Venue, Says He Would Go(抜粋)

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