日本のメディアやファンの間で、ユルゲン・クリンスマンの名前が話題になったタイミングでドイツ往年の名ストライカーにじっくり話を聞くチャンスがあった。彼の名前がニュースになったのは、今月の代表活動から、日本のエースである上田綺世が背番号を変更したから。10月15日、日本代表がブラジル代表を史上初めて破った翌日にクリンスマンの話を聞くことができた。

バイエルンvsドルトムントを語ったかと思えば…

 日本時間10月18日の深夜25時半(19日午前1時半)から、バイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントによるブンデスリーガ最大の一戦「デア・クラシカー」が行なわれるタイミングを前に、ブンデスリーガの協力により、クリンスマンに時間を割いてもらったのだ。

「デア・クラシカー」について語るクリンスマンは、フォワード出身者としての視点を大切にしていた。

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「今回のような試合を前に、特別なモチベーションを引き出す必要なんてない。ドイツにいるファンにとっても、世界中にいるブンデスリーガーにとっても、ビッグマッチなわけだから。ただ、それはフォワードの選手にとってもあてはまる。ドルトムントのギラシやアデイェミ、バイエルンのケイン。彼らはゴールを決めて、この試合でチームを引っ張りたいと意気込んでいるだろうね」

 さらに、日本メディアでは単独取材となったグループインタビューでは、様々な興味深いテーマについて聞くことができた。

 例えば、多くの選手がヨーロッパでプレーする状況で、日本代表監督は日本と欧州のどちらに拠点を移すべきか。あるいは、日本はパスサッカーとプレッシングサッカーのどちらを突き詰めていくべきか。日本のサッカー関係者の多くがポゼッションサッカーに憧れをいだいているが、先のW杯や「戦術カタール」が火を噴いたブラジル戦では、日本人選手はプレスの能力が高いことを証明した。「好きなこと」、「得意なこと」いずれを突き詰めるべきか。それらの話は別記事でお届けするが――まずクリンスマンが破顔した、上田綺世の話題について取り上げよう。

上田が語っていた“父とクリンスマンの縁”

 ドイツ代表通算40ゴールを挙げた名FWクリンスマンがなぜ注目されたかというと、上田が背番号を9番から18番へと変更したから。今回の合宿中に変更の理由について直接尋ねると、上田からこんな答えが返ってきた。

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