英国の新たな制裁にもかかわらず、中国はロシアからの液化天然ガス(LNG)輸入を続けようとしている。両国は制裁回避の準備を整えているもようだ。

  英政府は15日、制裁対象であるロシアからのLNG輸入を理由に中国南部の北海LNGターミナルに制裁を科した。しかし、ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、すでに少なくとも1隻の船舶が同ターミナルに向かって航行中で、沖合で待機中の別の船舶もある。

  ロシアと中国は制裁を事前に想定し、すでに米英の制裁対象となっている北極圏の「アークティックLNG2」プロジェクトからの受け入れ港を北海ターミナルの1カ所に限定している。

  他の中国LNG輸入業者は同ターミナルの利用を停止。つまり、ロシアからのLNG輸入を特定の施設に集中させることで、中国全体のガス産業を制裁リスクから実質的に切り離した格好となっている。

   ブルームバーグの調査に応じた複数のトレーダーによると、アークティックLNG2からの対中輸出は今後も継続する見込み。

  米国のシンクタンク「Arctic Institute」の創設者マルテ・フンパート氏は、「中国指導部は西側諸国による制裁を事前に見越していた。欧米がより協調してまとまった措置を取らない限り、 中国がロシア産LNGへの姿勢を改める可能性は低い」と指摘している。

原題:Russia Set to Keep LNG Flowing to China Despite UK Sanctions (1)(抜粋)

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