イタリア人のフィリッポ・モニさん【写真:Hint-Pot編集部】イタリア人のフィリッポ・モニさん【写真:Hint-Pot編集部】

 日本の伝統工芸品は、職人の手仕事によって生み出される精緻な技術と美しさが特徴です。その種類は多岐にわたり、いずれも海外で高い評価を受けています。イタリアで建築を学ぶ男性も、日本での滞在中にある伝統工芸品に魅了され、購入したそうです。いったい、どんなものに出合ったのでしょうか。

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大学の交流プログラムで鹿児島へ

 イタリアのフィレンツェから来たフィリッポさん。2023年の異なる時期に、あわせて約2か月半、日本に滞在しました。

 日本へ来たきっかけは、大学間の交流プログラムでした。フィリッポさんはフィレンツェの大学で建築を学んでいて、指導教授の紹介で、フィレンツェの大学と鹿児島の大学が連携するプロジェクトに参加することになったそうです。

 1週間のワークショップでは鹿児島の公園設計に取り組み、旅行も兼ねた実践的な学習を体験。また、歴史的建造物についての研究も行いました。

「日本はイタリアと違って、歴史的な文化財保護がそれほど厳しくないため、歴史的建造物が失われていました。こうした失われつつある歴史的な建造物の保存などに興味があります」

日本の伝統技術に魅了されて購入

 日本を離れる前に、フィリッポさんには購入したいと考えていたものがありました。

「実は、これまで自分専用の包丁を持っていませんでした。そこで、日本への旅行の機会に、日本は伝統的に刃物作りの名人であることもあり、現地で包丁を買うことにしました」

 日本の刃物は、古くから培われてきた鍛冶技術によって、切れ味と耐久性の高さで世界的に知られています。とくに包丁は和食文化を支える重要な道具として発展し、今も職人の丁寧な手仕事が息づいています。

「万能に使える包丁が欲しかったので、牛刀を購入しました。野菜でも肉でも、何でもとても良く切れます」

 観光庁の2024年度の訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人の購入品として「民芸品・伝統工芸品」は一定の人気を集めているようです。日本の職人技に関心を寄せる傾向があるようで、包丁をはじめとする工芸品をお土産に選ぶ人も少なくありません。

 建築を通じて歴史的建造物の保存に関心を持つフィリッポさんには、日本の伝統工芸品である包丁は、単なる調理道具以上の意味を持つ品となったようです。

 日本の伝統技術と文化に深い関心を持つフィリッポさん。また日本を訪れる機会に恵まれると良いですね。

(Hint-Pot編集部)

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