輸入木材に10%関税、洗面台などは25% トランプ氏が布告

トランプ米大統領は29日、輸入木材に10%、洗面台、キッチンキャビネット、布張りの木製製品に25%の関税を課す大統領布告に署名した。写真は6月27日、ワシントンのホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno)

[ワシントン 29日 ロイター] – トランプ米大統領は29日、輸入木材に10%、洗面台、キッチンキャビネット、布張りの木製製品に25%の関税を課す大統領布告に署名した。ホワイトハウスが明らかにした。関税は10月14日に発効する。

来年1月1日には、米国と合意に至らない国から輸入される布張り木製製品に対する関税率が30%に、キッチンキャビネットや洗面台に対する関税率は50%に引き上げられる。

トランプ氏が先週、特許を取得した医薬品の輸入や大型トラックの輸入など、早ければ10月1日にも新関税を課すとしていた3分野での最初の措置。ただ、29日の布告では、木材と家具の関税開始は2週間後の10月14日午前0時01分(日本時間午後1時01分)とされている。

布告は木材製品の輸入が米国経済を弱体化させ、その結果、木材工場の閉鎖や木材製品のサプライチェーン(供給網)途絶の脅威が持続しており、国内木材産業の利用が後退していると指摘。「米国木材産業の現状により、米国は国防や重要インフラに不可欠な木材製品の需要を満たすことができなくなる可能性がある」としている。

さらに、木材製品は「運用試験のためのインフラ構築、人員や資材の収容・保管、軍需品の輸送、軍需品の原材料、ミサイル防衛システムや核再突入体の防熱システムの部品として使用されている」と付け加えた。

<カナダ、ベトナム、メキシコに打撃>

米国にとって最大の針葉樹製材サプライヤーであるカナダの生産者はすでに、米国の反ダンピングと反補助金を合わせた約35%の関税に直面している。

メキシコとベトナムは、トランプ大統領が1期目の2018年に中国製家具製品に最大25%の関税を課した後、米国への木製家具供給国として成長している。

トランプ氏の布告は米国と関税引き下げ協定を結んでいる一部の国々に対し、木材製品の関税上昇を和らげることを盛り込んでいる。それによると、英国からの木材製品に対する関税上限は10%、欧州連合(EU)と日本からの木材製品に対する関税上限は15%となっており、これら枠組み協定の基本関税率に沿った税率となる。

しかし、トランプ氏の声明では、まだ正式に文書化されていないものの、7月にベトナムとの間で合意した関税率20%の貿易協定については一切触れられていない。

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