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photo : Egon NYC/shutterstock※写真はイメージです。

ペルー北部の海岸沿いに位置する古代遺跡で、約2300年前に築かれた墓が発見された。研究チームはこの発見を「異常な埋葬儀式の証拠」と呼び、考古学界に驚きを与えている。

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顔を伏せ、縛られた遺体 

発掘が行われたのは、プエマペと呼ばれる北海岸の遺跡。ここには前インカ期の人々が築いた寺院が存在しており、古くは約3000年前にまでさかのぼる。祖先崇拝や祭祀の場として使われた寺院はやがて放棄されたが、今回の墓は、その放棄後に寺院に隣接する位置で築かれたものだ。年代は紀元前400~200年ごろと推定されている。つまり、寺院が衰退した後の時代に、何らかの儀式として人々が埋葬された可能性がある。

墓の中からは十数体の遺骨が見つかったが、その多くが通常の埋葬とは大きく異なる方法で処理されていた。多くの遺骨は顔を地面に伏せるように配置されており、中には手首や首に縛られた痕跡が残されていたものもあった。さらに、頭蓋骨に骨折が見られるものも存在し、生前に暴力を受けた可能性を示している。こうした特徴から、考古学者たちは遺体が儀式的な人身供犠の犠牲者であった可能性を指摘している。

加えて、この墓からは副葬品と呼ばれる供物がほとんど見つかっていないことも謎を深めている。アンデス地域の先史時代において祖先崇拝や供物を伴う葬送儀礼は広く行われていたが、陶器や貴重品が伴わない埋葬は、通常とは異なる特別な扱いであることを物語っている。社会の中で特別な立場に置かれた人々が犠牲になったことを示しているのかもしれない。

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異様な埋葬の意味とは? 

研究者たちの間では、この埋葬がどのような社会的文脈で行われたのかについて議論が続いている。犠牲者が地元の共同体に属していたのか、それとも戦争や紛争で捕らえられた他地域の人々であったのかは明らかになっていない。DNA分析や骨の同位体調査を通じて、埋葬された人々の年齢や性別、健康状態、出身地や生活習慣を探る試みが進められている。

また、墓の年代が寺院の放棄期と重なる可能性があることから、宗教施設が使われなくなった後に、何らかの終末的な儀式として埋葬が行われたのではないかという仮説も浮上している。

紀元前400〜200年ごろに寺院の傍らで行われたこの奇妙な埋葬は、古代アンデスの人々の死生観や宗教儀礼の奥深さを示すものだ。考古学者たちが「困惑」と表現する今回の発見は、果たして何を意味し、どのような物語を後世に残そうとしていたのか。今後の調査により、その答えを明らかにする日が待たれている。

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‘Unusual’ burial rituals discovered in 2,300-year-old tomb leave archaeologists baffledhttps://t.co/DRJQEsGlOC pic.twitter.com/bFv0IzidqJ


— Daily Star (@dailystar) September 2, 2025


2300年前の男性の遺体。その異様な埋葬方法に考古学者は困惑。@dailystar- X

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Mysterious remains of 3,000-year-old ‘Priest of Pacopampa’ found buried face down with accessories of #human bonehttps://t.co/iwGPbONfaa pic.twitter.com/fFxsKwfkrs


— Business Insider India🇮🇳 (@BiIndia) September 2, 2023


副葬品の無い墓は、当時としては異例とのこと。@BiIndia – X

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