中国ではビザ免除政策や国際線の回復といった追い風を受け、今年の国慶節連休には海外旅行者数が過去最高を更新すると予測されている。そうしたなか、中国人旅行者が海外で直面しやすい「トイレ」「体調不良」「支払い」の“旅先三大トラブル”を解決するため、アリペイ(支付宝)はガオドゥ地図(高徳)、医療AIアプリ「エーキュー(AQ)」と連携し、グローバル対応の新サービスを発表した。利用者はアリペイで「ホイチュウジン(惠出境)」と検索するか、エーキューアプリやガオドゥアプリを開くことで、必要な機能にアクセスできる。
1.トイレ問題――ヨーロッパの公衆トイレもアプリで解決
海外旅行で最も困る場面の一つがトイレ探しだ。特にヨーロッパでは公衆トイレの多くが有料で、硬貨がないと利用できないケースが多い。ガオドゥアプリではヨーロッパ全域の公衆トイレ検索に対応しており、オフィスビルなどの開放型トイレも検索可能。また、アリペイプラス(Alipay+)のクロスボーダー決済を活用することで、ドイツの観光地やスイスの鉄道駅など140か所以上のトイレで、スマホをかざすだけで入場できるようになった。
2.体調不良――AI診療で24時間サポート
旅先では体調不良がつきものだが、言語や医療制度の違いが大きなハードルとなる。エーキューアプリでは「AI診室」機能を通じ、24時間365日体調相談を受けられる。頭痛や胃腸の不調など軽度の症状に応じた応急対応を提示するほか、中国国内の国家級院士をはじめとする300名以上の専門医の知見をAIで再現し、20の主要診療科目をカバーしている。利用者は「名医が同行している」ような安心感を得られるという。
3.支払い――世界中で使えるモバイル決済と快適な退税
現金払いが主流の国では「支払い」に不安を抱く旅行者も多い。アリペイプラスは現在、100以上の国・地域で1億を超える加盟店と接続しており、30以上の国・地域で退税サービスも提供している。利用者は為替の優遇レートや即時の割引を受けながら、慣れ親しんだスマホ決済で安心して買い物ができる。
さらに、ガオドゥは海外100都市以上のバス情報、60都市以上の地下鉄情報を提供。パリ、ロンドン、ミュンヘン、アムステルダムなど30か国で配車サービスを展開しており、中国人旅行者は現地SIMカードを購入しなくても、中国語インターフェースで配車可能。住所入力や翻訳機能も備わっており、支払いはアリペイで完結する。
今回の取り組みにより、海外旅行に伴う“旅先三大トラブル”をワンストップで解決できる環境が整いつつある。国慶節に向け、利便性と安心感を備えた新しい旅行体験が広がることになりそうだ。
(中国経済新聞)
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