米、アルゼンチンに通貨スワップや与信枠供与の支援準備=財務長官

ベセント米財務長官は9月24日、X(旧ツイッター)への投稿を通じ、米国がアルゼンチン中央銀行との間で200億ドルの通貨スワップ協定締結に向けた交渉を進めていると明らかにした。23日、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Al Drago)

[ワシントン 24日 ロイター] – ベセント米財務長官は24日、X(旧ツイッター)への投稿を通じ、米国がアルゼンチン中央銀行との間で200億ドルの通貨スワップ協定締結に向けた交渉を進めており、ほかにも必要な支援措置を準備中だと明らかにした。

その一環としてアルゼンチンのドル建て債を条件が整えば購入する用意や、「為替安定基金(ESF)」経由で大規模な信用供与枠を提供する意向も示した。

ベセント氏は「アルゼンチンには、政治的目的のためにアルゼンチンの市場を不安定化させようとする人々を含めた投機筋を打ち負かす手段がある。私は状況を注視するつもりで、米財務省は引き続き必要なことを全面的に実行する態勢にある」と述べた。

またベセント氏は、アルゼンチンのコモディティー生産者に対する収入を外貨に転換する際の課税免除打ち切りに向けても、同国政府と協力して進めていると説明した。

アルゼンチンではブエノスアイレス州議会選でミレイ大統領の与党が大敗し、10月26日の連邦議会中間選挙の行方を巡る不透明感が強まったため、市場に動揺が広がって先週は通貨ペソが急落。中銀が10億ドル余りの外貨準備を投じる大規模介入でペソ防衛を強いられた。

こうした中でベセント氏は24日、FOXビジネス・ネットワークのインタビューで、米国がアルゼンチンおよびトランプ米大統領と親しいミレイ氏を支援する姿勢を強調し、市場はミレイ氏への信認をなくしたのではなく、以前に起きた危機を連想して動いている面が強いとの見方を示した。

ベセント氏は「市場は過去を振り返り、数十年前のひどかった経済運営の時代に目を向けている。人々は怖がっていて、今回は事情が違うと考えるのは非常に難しくなっている。だが私は、ミレイ氏の下で事態が昔とは異なると信じている」と語った。

さらに「われわれは市場の不均衡を容認しない。なぜならそれはミレイ氏の大規模な経済改革の後退をもたらすからだ」と主張した。

23日にトランプ氏と会談したミレイ氏はXで「トランプ大統領とベセント長官の強固な支援とアルゼンチン国民に対する信頼に感謝する」と伝えた。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は24日にニューヨークでミレイ氏と会談した後で、アルゼンチンが経済改革路線を維持することがとても大事だと発言。米国が申し出たような支援措置は、IMFとアルゼンチンが合意した改革プログラムの足場を強化すると評価した。

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