エステルオカダアートギャラリーでは、2025年10月2日(木)から10月19日(日)まで、山口慧里子による個展「かなたの波」を開催いたします。当ギャラリーにおいて初の個展となる本展では、油絵の新作と陶芸作品をご紹介いたします。
山口は、抽象的な油絵作品に加え、近年は精力的に陶芸作品の制作にも取り組んでいます。水や大地が作り上げる流動的な層の様な絵画作品からは、静と動のリズムが生み出され、その躍動がキャンバスを超えて鑑賞者に伝わってきます。目に見える事象の「境界」に関心を持ち続けてきた作家は、線を用いて、流動する世界の新しい輪郭を切り取ってみたいと言います。そのアプローチは陶芸作品にも通じており、例えば偶然出来上がった形が何かの形のように見えるということがあるように、私たちが何らかの形を見出す場合の「境界」に着目しながら、作品との呼応を通じた制作を行っています。立体、平面双方の作品が展示されることで生まれるリズミカルな空間は、私たちの知覚の奥深さを再認識するきっかけとなるかもしれません。皆様のご来廊をお待ちしております。
また、本展からは、企画展に加え、別室にてギャラリー取り扱い作家複数名による常設展も開催予定です。併せてご鑑賞いただければ幸いです。
WACOCA: People, Life, Style.