小回りEVで観光分散 金石・大野 県が実証実験 クルーズ船客周遊狙う

金沢港クルーズターミナルに設置された電動モビリティ=金沢市無量寺町で

 金沢港に寄港するクルーズ船の乗客に、港周辺の金石・大野地区を周遊してもらおうと、県は20日、最大で3人が乗車できる電動モビリティの導入に向けた実証実験を始めた。11月19日まで。金沢港クルーズターミナル(金沢市無量寺町)など3カ所に計4台を設置し、同地区のにぎわい創出と、市中心部に集中する観光客の分散を図る。 (新居真由香)

 電動モビリティは、側車付軽二輪の電気自動車(EV)で、普通自動車免許を保有する18〜69歳が運転できる。最高時速45キロ、航続距離は40キロで、電車やバスを待たずに自由なルートで周遊できる。

 実証実験中は金沢港クルーズターミナルに2台を設置するほか、県金沢港大野からくり記念館(同市大野町)と金石町商店協同組合事務所(同市金石西)に各1台を置く。利用は予約制。専用の予約フォームで予約を受け付けている。料金は無料だが、車両保険代が自己負担となる。

 金石・大野地区はかつて北前船の寄港地として栄えた歴史的な観光資源を有するが、移動手段が少ないために乗船客の訪問が限定的だった。県カーボンニュートラル推進課の担当者は「クルーズ船の乗客だけでなく、地元の方にも乗っていただき、楽しみながら町を巡ってほしい」と話した。

 この日は、クルーズ船の乗客に向けた金石・大野地区の周遊シャトルバスの運行や、金沢駅の混雑緩和を図るために金沢港大浜ふ頭と金沢駅を往復する乗客に北鉄浅野川線を活用してもらう実証実験もあった。

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