飛鳥3 七尾港初入港 乗客ら 「復興 目に焼き付けたい」

園児たちの演奏に耳を傾ける乗客ら=七尾市の七尾港で

 能登半島地震で被災した七尾市の七尾港大田ふ頭に17日、郵船クルーズ(横浜市)の大型客船「飛鳥3(ローマ数字の3)」が初めて入港した。一時下船した乗客は、半日ほどの間、能登を中心に県内を回る寄港地ツアーなどに参加。被災地の復興の様子を学ぶとともに、能登の魅力を体感した。(浜中創太)

 七尾港には、博多発着で函館や佐渡に向かう途中に寄った。滞在中は志賀町の景勝地「巌門(がんもん)」の遊覧船や、のと鉄道への乗車体験など6ツアーが設定され、乗客たちはバスやタクシーで思い思いのスポットへ出発した。

 福岡県久留米市から夫婦で訪れた森昭子さん(81)は「花嫁のれん館(七尾市馬出町)などを見に行く。10年ほど前に和倉温泉に宿泊したことがあり、応援したい気持ちがあった。地震の被害や復興の様子を目に焼き付けたい」と話した。

 歓迎セレモニーでは、茶谷義隆市長が「能登には魅力的な伝統文化や歴史、食文化がある。今後も地震からの復興の歩みを見ながら、繰り返し足を運んでほしい」とあいさつ。市内の3こども園の園児によるマーチングが花を添えた。

 飛鳥3 全長230メートル、全幅29.8メートル、総トン数5万2265トンで、同社が34年ぶりに新造。全381室に海を望むバルコニーを備える豪華客船で、7月20日に就航した。8月には金沢港に入り、北陸への入港は2回目。復興の一助にしようと、県や市が誘致を図っていた。

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