トランプ米大統領がアフガニスタンのバグラム空軍基地を取り戻したいとする発言は、米国がアフガニスタンに再び侵攻するかのように受け止められる可能性があると政府関係者が語った。2021年7月撮影(2025年 ロイター/MOHAMMAD ISMAIL)
[ワシントン 18日 ロイター] – トランプ米大統領がアフガニスタンのバグラム空軍基地を取り戻したいとする発言は、米国がアフガニスタンに再び侵攻するかのように受け止められる可能性があり、実現には1万人以上の兵士と高度な防空システムの配備が必要になりそうだと複数の現職と元職の米政府関係者が語った。
ロンドンを訪問中のトランプ氏は18日、記者団に対し基地を「取り戻したい」と述べた。「中国が核兵器を製造している場所から1時間の距離にあるからだ」とし、中国に近い戦略的な立地を理由に挙げた。
基地は2001年9月11日の米中枢同時テロ後、米国が20年にわたってアフガニスタン国内の主要拠点としていた。
トランプ氏はイスラム主義組織タリバン暫定政権のある程度同意を得て基地を獲得できる可能性があると示唆したが、合意内容が具体的にどのような形になるかどうか不明だ。
基地内はかつてハンバーガーやピザのようなファストフード店、電子機器からアフガンじゅうたんまであらゆる製品を売る商店が並んだ。また大規模な刑務所施設も存在した。
匿名を条件に語った米政府高官によると、基地を軍事的に奪取する具体的計画は存在しない。米国は21年にアフガニスタンから全面撤退する際、この基地を放棄した。
この高官は、基地を取り戻そうとすれば数万人規模の部隊が必要になるだろうと話す。基地の獲得は巨額の修復費用と物資補給上の大変な困難が伴い、内陸国に孤立した米軍拠点になるだろうと述べた。さらにロケット攻撃から守るために広大な周辺地域を確保する必要があり、「現実的に可能だと思えない」と述べた。
ある元米国防高官はトランプ氏が強調する基地が中国に近いなどの利点を評価せず、「軍事的な優位性は特にない。むしろリスクの方が大きい」と語った。
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