感謝胸に はつらつと 上山で震災復興支援ソフトボール大会

被災県を含む8県の高校生が熱戦を繰り広げたソフトボール大会=上山市・上山明新館高

 東日本大震災と能登半島地震の復興支援を目的とするソフトボール大会が13〜15日、上山市の上山明新館高で開かれた。大震災直後に被災した高校生たちを元気づけようと始まり、新型コロナウイルス禍で中断はあったものの、能登半島の復興を応援する思いも込めて集い、14回目。今回は被災県を含む8県の選手が、はつらつとプレーした。

 ソフトボール元日本代表主将で、2000年シドニー五輪銀メダリストの松本直美さん(57)=山形市南二番町=が主宰するソフトボールクラブ「DO WONDERS(ドゥーワンダーズ)」が主催している。知人らに呼びかけて11年4〜5月に第1回を開き、年2回開催した年もあった。コロナ禍で20〜22年は開かなかったが23年に再開。順位は付けずに、プレーで交流を深めている。

 今回は本県と青森、岩手、宮城、福島、千葉、石川、静岡の各県から計13校が参加し、3日間にわたり計50試合を行った。選手は懸命にボールを追い、長打や好守備には保護者などから大きな歓声が上がった。

 仙台市立仙台商業高の佐藤潤平顧問(32)は同校2年時に大震災で自宅が半壊。「大会が復興支援として14回続いていることに意味がある。被災の経験を生徒に伝えていきたい」と話した。同校主将で捕手の2年宗片未菜美(みなみ)さん(17)は「ソフトボールができるのはありがたいことなんだ」と口にし、大会関係者や学校、家族に感謝した。

 松本さんは「大震災の記憶がない生徒もいると思うが、たくさんの人に支えられて今の自分がいると分かってもらえたらいい」と話し、「ふと立ち止まって、自分や周りを見つめるきっかけにしてほしい」と願いを込めていた。

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