米連邦公開市場委員会(FOMC)は16、17両日に開いた定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定した。また年内さらに2回の利下げを予想した。ホワイトハウスは数カ月にわたり、金融当局に利下げを強く要求してきた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会合後の記者会見で、労働市場に軟化の兆しが強まっていると指摘。
「労働需要は軟化し、最近の雇用創出ペースは失業率の安定維持に必要な水準を下回っているようだ」とし、労働市場が「非常に堅調」だとは「もはや言えなくなった」と議長は述べた。
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フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は4-4.25%となった。今回の利下げは賛成11、反対1で決定。FOMCは今年に入り5会合連続で政策金利を据え置いてきた。
反対票を投じたのは新しく就任したマイラン理事のみで、より大幅な0.5ポイントの利下げを主張した。7月の会合で利下げを主張し反対票を投じたボウマン副議長(銀行監督担当)とウォラー理事は今回、0.25ポイントの利下げに賛成した。
会合後の声明では、昨年12月以来となる利下げを正当化する根拠として労働市場に軟化の兆候が強まっていることを指摘。一方で、「インフレは上昇し、幾分高止まりしている」とも説明した。
失業率については、「やや上昇したものの、低いままだ」と指摘。その上で、「雇用の下振れリスクは高まった」と付け加えた。
今回の利下げは広く予想されていた。ここ数カ月における雇用ペース急減速を受け、FOMCの懸念がインフレから雇用へと移る兆しが見られていた。
FOMCは今回、最新の四半期経済予測も公表。年内に0.25ポイントの利下げをさらに2回行うと見込んでいることが示された。これは6月時点での予想より1回多い利下げを予想していることを意味する。また2026年と27年に1回ずつ、0.25ポイントの利下げを予想した。
当局者1人は、政策金利が今年さらに1.25ポイント低下すると予想した。
最新の金利予測分布図(ドットプロット)
経済予測では、26年の成長率予測の中央値が若干引き上げられた。また来年のインフレ率も小幅に上方修正された。
原題:Powell Says Jobs Market No Longer Very Solid After Fed Rate Cut(抜粋)
(パウエル議長の発言など追加し、更新します)
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