公開日時 2025年09月17日 18:59更新日時 2025年09月17日 19:46

 16日、パプアニューギニアでの式典に参加するマラペ首相(右)とオーストラリアのアルバニージー首相(ロイター=共同)

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共同通信

 【シドニー共同】オーストラリアのアルバニージー首相が訪問先のパプアニューギニアで17日に予定していた相互防衛条約の署名が土壇場で延期になった。アルバニージー氏はバヌアツを9日訪れた際も同様の安全保障協定に署名する運びだったが、バヌアツ側の都合で急きょ見送られた。

 首脳外交の晴れ舞台でアルバニージー氏が「恥をかく」(オーストラリアン紙)よう、中国がパプアとバヌアツに圧力をかけたとの臆測が広がった。

 パプア側は、17日の署名を見送った理由について閣議で条約承認に必要な人数が集まらなかったと説明。マラペ首相は中国の関与を否定した上で「オーストラリアは安保上の優先パートナーであり続ける」と強調した。両首脳は17日、相互防衛条約の内容で合意したとの共同声明を出した。

 条約は「オーストラリアまたはパプアへの武力攻撃は、両国にとっての平和と安全の脅威だと認識する」と規定。アルバニージー氏は米国、ニュージーランドに続き、パプアと「新たな同盟」を結ぶと語った。

 この条約は、オーストラリアと中国の紛争にパプアが巻き込まれかねない内容だけにパプア国内で論争を呼んできた。オーストラリアのローウィー研究所のオリバー・ノベタウ氏は、署名見送りは「閣僚が条約に全面的に従うのを嫌った結果だ」と分析した。

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