全国の土地の価格を調べた「地価調査」が公表されました。
県内では、鹿児島市で地価の上昇が続く一方、全体で下落が続いていて、需要の高い場所と低い場所での二極化が進んでいます。
地価調査は、都道府県が毎年7月1日時点の土地の価格を調べるもので、県内ではあわせて424の地点について16日、公表されました。
それによりますと、住宅地は、県内全体の平均で去年より1.1%下がり、28年連続で下落しました。
住宅地で最も高かったのは、鹿児島市上荒田町の地点で、1平方メートルあたり26万円と、去年より2.8%上昇しました。
上昇率で見ますと、鹿児島市のほかには、鹿児島市のベッドタウンとなっている姶良市平松の地点と、奄美空港と奄美市の間にあり、利便性が高いとして龍郷町赤尾木の地点がそれぞれ3%上昇しました。
また、商業地も、県内全体の平均で去年より0.7%下がり、34年連続の下落となりました。
商業地で最も高かったのは、8年連続で鹿児島市東千石町の地点で、1平方メートルあたり104万円でした。
商業地でも地価が上昇した地点の多くが鹿児島市が占める中、西之表市の中心部に近い鴨女町の地点では、去年に続いてことしも4.6%上昇し、1平方メートルあたり、4万1300円となっています。
背景には、馬毛島の自衛隊基地の建設工事に伴い、建設に従事する多くの工事関係者が滞在していることから、作業員の事務所や駐車場、それにコンテナを置く場所などとして商業地の需要が高い状態が続いています。
全体的に見ますと、県庁所在地の鹿児島市では、住宅地では0.3%、商業地では1.6%と去年に続き上昇したのに対し、県内全体では下落が続いていて、住宅地で、県内全体で下落したのは九州では鹿児島県だけでした。
こうした状況について調査を担当した不動産鑑定士は、「需要の高い場所と低い場所で、二極化している傾向が進んでいる」としています。
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