米政府代表団が15日夜にインド入りし、通商協議を行う予定だ。対立点の解消に向け、両国が歩み寄りつつあることを示唆している。

  インドと米国はこれまで「バーチャル形式で」協議を続けてきたと、インドの首席交渉官ラジェシュ・アガルワル氏が15日、記者団に明らかにした。米当局者は1日限りの予定でニューデリーに滞在するという。同氏は今後の通商交渉の「行方を見極めるため、明日協議を行う」と述べた。

  米国側の代表団は、南・中央アジア担当の通商代表補ブレンダン・リンチ氏が率いる。

  トランプ米大統領は数週間前、インドに対する関税を2倍の50%に引き上げた。これはアジアで最も高い関税率であり、トランプ氏はインドの貿易障壁やロシア産原油の購入を問題視してきた。同氏は数週間以内に、インドのモディ首相と会談する意向も示している。

  米国防当局者とボーイングの幹部も今週中にインドを訪れ、約40億ドル(約5900億円)規模の海軍向け監視機の売却に向けた交渉を行う予定となっている。

  バースワル商工省商務局次官は15日、通商問題に関して「双方に前向きな姿勢が見られる」と記者団に語り、交渉は他の政府機関の間でも進められており、外交や閣僚レベルでの協議も行われていると明らかにした。

  インドはトランプ政権と通商交渉をいち早く開始していたが、これまでに5回の協議を重ねたものの、合意には至っていない。交渉が停滞した背景には、インドとロシアとの関係や、インドが酪農・農業市場の開放に応じなかったことなどがある。

  ゴヤル商工相は4日、インドと米国の関係は依然として強固であり、通商交渉の遅れについて「パニック」になる必要はないと述べている。

原題:US Trade Negotiators Head to India for One Day of Talks (1)(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.

Exit mobile version