地域の山の現状を報告する委員ら=富山市下大久保の大久保ふれあいセンターで
富山市は12日、同市下大久保の大久保ふれあいセンターでクマ対策会議を開いた。市鳥獣被害対策実施隊や自治振興会の関係者など35人が参加し、出没傾向や連絡体制を確認した。
市と県によると、今年の市内での目撃情報は11日時点で41件。うち27件が本来ツキノワグマが生息していない市街地での目撃だった。
前年同期比より7件少なかったものの、市農林水産部の金井誠次長は「ブナは凶作、ミズナラ、コナラは不作。これから冬眠に備えて活発に行動するため、一層の警戒が必要」と述べた。柿の実の除去や屋敷林の伐採、県が公開する出没情報の地図「クマっぷ」の活用を呼びかけた。
実施隊の各支部の代表者らが情報交換し、大沢野・細入支部の米田作示支部長は6月下旬にゴルフ場で4回目撃され、一時閉鎖されたと報告。山田支部の土田隆支部長は「ドングリの不作で(人身被害が相次いだ)一昨年のようになるのではと危惧している」、八尾支部の佐々木孝支部長は「クルミも実っていないように感じる」と話した。
クマの対応を巡っては、自治体の判断で銃を使える「改正鳥獣保護管理法」が1日に施行された。市は従来の緊急時と同様の体制で対応するとし、市職員が通行制限や避難誘導に当たり、実施隊が捕獲する。(篠崎美香)
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