9月11日、ドイツのメルツ首相(写真)は連邦情報局(BND)の運営について、対立する国からのハイブリッド攻撃に対処するため、同国の規模と経済力に見合った水準にまで強化する必要があるとの見解を示した。ベルリンで11日代表撮影(2025年 ロイター)
[ベルリン 11日 ロイター] – ドイツのメルツ首相は11日、連邦情報局(BND)の運営について、対立する国からのハイブリッド攻撃に対処するため、同国の規模と経済力に見合った水準にまで強化する必要があるとの見解を示した。BND新長官の就任式で語った。
メルツ氏は、過去何十年にもわたって平和と自由、繁栄をもたらしてきた欧州の安全保障体制の基盤が危うくなっていると指摘。「われわれは日夜、わが国のインフラに対するハイブリッド攻撃を防いでいる」と述べ、ハイブリッド攻撃の具体例として破壊工作やスパイ行為、虚偽情報の拡散を挙げた。
同氏は「われわれは再び、組織的なライバルや敵に直面しており、彼らは一段と攻勢を強めている」としたが、敵対する国や組織の名称には言及しなかった。
ドイツを含む欧州の安全保障当局は長い間、中国とロシアによるハイブリッド攻撃の脅威が高まっていると警告してきた。
こうした脅威に対処するため、ドイツは先手を打って行動するとともに、強力な情報機関が提供する情報を必要としている、とメルツ氏は主張。「わが国の規模と経済力の観点からわれわれが欧州で担う責任を踏まえると、われわれの目標はBNDが情報面において確実に最高水準で運営できるようにすることだ」と述べた。
BNDの新長官には、2023年から駐ウクライナ大使を務めたマルティン・イエガー氏が指名された。イエガー氏は就任式で、BNDは同氏の指揮下で欧州および提携国と協力するとともに、敵対勢力に立ち向かうと表明した。
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