ポーランドは10日、領空に侵入したドローン(無人機)を撃墜した。北大西洋条約機構(NATO)加盟国による攻撃行為は、2022年のロシアのウクライナ侵攻開始以降、公表された事案としては初めて。ドローンとみられる物体で破壊された家、ポーランド東部の町で10日撮影の提供写真(2025年 ロイター/Agencja Wyborcza.pl)
[ワルシャワ 10日 ロイター] – ポーランドは10日、領空に侵入したドローン(無人機)を撃墜した。北大西洋条約機構(NATO)加盟国による攻撃行為は、2022年のロシアのウクライナ侵攻開始以降、公表された事案としては初めて。欧州政府関係者からは、今回の領空侵犯は意図的なもので、ロシアのエスカレーションの表れとの指摘が出ている。 もっと見る
ポーランドは、ロシアがウクライナ西部を中心に大規模な空爆を実施している最中に19の物体が領空に侵入し脅威をもたらしたとして撃墜したと発表した。トゥスク首相は、NATO加盟国が安全保障に関する協議を要求できるNATO条約第4条を発動したと明らかにした。
NATOの報道官は、ルッテ事務総長がポーランド側と連絡を取り、緊密に協議していると述べた。 NATO情報筋は、今回の事案を攻撃ではなく意図的な侵入として扱っていると述べた。 もっと見る
トゥスク首相は「安全保障上の脅威となる無人機が撃墜されたという事実は、政治状況を変えるものだ」と指摘。「われわれは大規模な挑発行為に対処している。このような挑発行為を撃退する用意がある。状況は深刻であり、さまざまなシナリオに備えなければならないことを疑う者はいない」と述べた。
ロシア国営通信RIAによると、同国外交官は、ポーランドは撃墜した無人機がロシアのものという証拠を示しておらず、ロシアによる領空侵入の非難は「根拠がない」と述べた。
ポーランド軍司令部は、東部3地域が特に危険だとして、住民に自宅待機を要請した。
EUのカラス外交安全保障上級代表(外相に相当)は、ロシアの無人機が欧州の空域に侵入したのは、偶発的なものではなく、意図的なものであることを示唆する初期の兆候があったと述べた。
「ロシアの戦争は終わるどころかエスカレートしている。われわれは、ロシアの負担を重くし、ウクライナへの支援を強化し、欧州の防衛に投資しなければならない」とXに投稿した。「EUは主要な役割を担っており、イースタン・ボーダー・シールド防衛ラインのようなイニシアチブを支援していく」とも述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナ西部を約415機の無人機と40発以上のミサイルで攻撃したとした上で、少なくとも8機のドローン(無人機)がポーランドを照準としていたと指摘した。 もっと見る
フォンデアライエン欧州委員長は、ロシアに対する制裁強化を主張し、ロシア産原油を輸送する「影の船団」への制裁を準備していると述べた。
チェコのリパフスキー外相は、NATOは前線で防空体制を強化すべきと訴えた。
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