美術館や博物館など5つの県立施設の運営をめぐり、高知県は、管理者として外郭団体を直接、指定するこれまでのやり方から公募への切り替えを検討しています。
こうしたなか、一部の施設では、文化財の保存などの観点から、資料の管理に関わる業務に限って今の外郭団体が引き続き担える仕組みを検討していることが分かりました。

年間5万人以上が訪れる「牧野植物園」「県立美術館」「坂本龍馬記念館」「高知城歴史博物館」、それに「のいち動物公園」の5つの県立施設の運営について、高知県は、管理者として外郭団体を直接、指定するこれまでのやり方から、民間業者を含めた公募に切り替える方針で、パブリックコメントを実施するなどして検討を進めています。

このうち「高知城歴史博物館」については、事業の企画などは公募で選ばれた管理者に委ねる一方で、資料の管理に関わる業務に限って、今の外郭団体が引き続き担える仕組みを検討していることが関係者への取材で分かりました。

「高知城歴史博物館」には、江戸時代に土佐藩を治めてきた山内家にまつわる資料、およそ6万7000点などが保存されていますが、これらは、現在、運営を担っている外郭団体の設立を前提に寄贈されたもので、資料の管理業務も含めて公募することは適切ではないと判断したということです。

県は、県立施設の指定管理者を公募に切り替えることで運営の自由度が増したり、職員の所得の向上が期待できるとして、今月19日から始まる予定の9月定例議会に博物館の管理に関連する条例の改正案を提出する方針です。

一方、現在、運営を担っている外郭団体からはこれまで、「文化施設に収益性を求めることは適切ではない」や、「学芸員など従業員の雇用が不安定になる」など、公募への切り替えに対し懸念の声も上がっています。

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