公開日時 2025年09月09日 05:25更新日時 2025年09月09日 05:56

 8日、フランス国民会議での内閣信任投票に臨んだバイル首相(ロイター=共同)

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共同通信

 【パリ共同】フランス国民議会(下院、577議席)で8日、バイル首相率いる内閣の信任投票が実施され、反対多数で否決された。バイル氏は9日にマクロン大統領に辞表を提出し、内閣は総辞職する見通し。マクロン氏は「数日中に後任を任命する」と表明した。昨年6~7月の下院総選挙で安定した内閣の運営に必要な過半数を獲得した勢力がなく、その後1年以上続く政局の混迷は一層深まり、欧州経済にも打撃となる。

 賛成194票、反対364票、残りは棄権などだった。バイル氏は財政再建計画の是非を問うため自ら投票を求める「危険な賭け」(フランスメディア)に出たが、失敗に終わった。バイル氏は就任からわずか約9カ月で失脚を余儀なくされ、任命したマクロン氏の責任を問う声も強まるとみられる。極右政党、国民連合(RN)は解散総選挙を求めている。

 フランスは財政難で、バイル氏は2026年予算案に約440億ユーロ(約7兆6千億円)規模の財政再建計画を盛り込む方針を表明。経済活動の活性化を狙い、二つの祝日の廃止を提案した。

 だが野党から強い批判が上がり、バイル氏は8月25日、信を問うため投票実施を発表。計画に反対するRNや左派の社会党などへの説得を試みたものの、失敗した。

 フランス大統領府は8日の声明で「マクロン氏は9日にバイル氏と面会し、内閣総辞職を承認する予定だ」と表明した。

 昨年の総選挙では左派連合、マクロン氏の与党連合、RNの三つどもえの結果となり、いずれも過半数に届かなかった。

 マクロン氏は昨年9月、中道右派の共和党のバルニエ氏を新首相に任命したが、下院は12月にバルニエ氏率いる内閣の不信任決議案を可決。内閣は総辞職に追い込まれ、マクロン氏はバイル氏を新首相に任命した。

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