今年の夏の記録的な暑さと7月の少雨の原因は?

公開:2025年09月06日12:53

今年の夏の記録的な暑さと7月の少雨の原因は?

昨日5日(金)気象庁がこの夏の記録的な高温と7月の少雨の特徴およびその要因等について、異常気象分析検討会による分析結果を公表しました。

この夏は3年連続で最も暑い夏に

この夏は3年連続で最も暑い夏に

昨日5日(金)気象庁がこの夏の記録的な高温と7月の少雨の特徴およびその要因等について、異常気象分析検討会による分析結果を公表しました。

それによりますと、この夏の高温と7月の少雨の特徴は以下になります。
・この夏の平均気温は3年連続で最も高くなった。
・歴代最高気温(8月5日に群馬県伊勢崎市で41.8℃)を観測。猛暑日(9385地点)や40℃(30地点)以上の延べ地点数の記録を更新した。(9月5日現在)
・梅雨明けが多くの地域で過去最も早く、7月は北陸地方を中心に記録的な少雨となった。

この夏の高温や7月の少雨の要因は?
この夏の高温と7月の少雨の主な要因は以下のようになります。(一番上の図)

・地球温暖化によって、この数年は日本を含めた中緯度で気温の高い状態が続いている。
・太平洋熱帯域の西部で海水温が平年より高く、南アジアからフィリピン東海上にかけて積乱雲の活動が早くから活発だった。
・ユーラシア大陸から日本周辺の上空の偏西風が6月以降に平年より大幅に北側に流れる状況が続いた。
・背の高いチベット高気圧が日本周辺まで張り出し、記録的に早い梅雨明けをもたらすと共に、暑い期間が長くなった。
・太平洋高気圧の張り出しが強まり、日射の影響により気温が上昇した。

8月前半の大雨の要因

8月前半の大雨の要因

7月の少雨の一方、8月前半には記録的な大雨になった所もありました。

その要因として、
・上空の偏西風が一時的に南に蛇行し、南からは湿った空気が流れ込んだ影響により、中国大陸から日本周辺にかけて停滞前線が形成された。
・太平洋高気圧の中心が沖縄方面に移動したことにより、高気圧の縁を回って暖かく、湿った空気が前線に流れ込み、活発な雨雲が次々と発生した。
上記2点があげられます。

この先も高温傾向が続く

この先も高温傾向が続く

9月4日に気象庁から発表された、1か月予報によると、気温は全国的に平年より高い傾向は続く見通しです。

特に9月前半は35℃以上の猛暑日になる地域もある予想で、引き続き熱中症に警戒が必要です。運動会など外で活動する機会も増えるころです。こまめに水分を補給し、定期的に休憩をとるなど、熱中症対策をしっかり行うようにしましょう。

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牧 良幸

日本気象協会 本社気象予報士 熱中症予防指導員

牧 良幸

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