福島県葛尾村で「何もない贅沢」を体験。心と体が喜ぶスローな旅へ

人混みを避けて、心と身体をリセットしたいと思っていませんか?
都会の喧騒から離れた福島県葛尾村には、ありのままの日本の原風景が残されています。

澄んだ空気の中でのんびりキャンプをしたり、地元民に愛される食堂で心温まる食事をしたりと、葛尾村でしか味わえない、ゆったりとした非日常のひとときを過ごせます。

今回は、そんな葛尾村の魅力を詰め込んだおすすめの過ごし方をご紹介します!

福島県の「葛尾村」(かつらおむら)ってどんなところ?

のどかな自然に癒される「葛尾村」へ

福島県双葉郡葛尾村は、阿武隈高地の自然に囲まれた小さな山あいの村です。

東京からは車でおよそ4時間、福島県内の郡山駅からは車で1時間ほど。電車とバスを乗り継いで行くこともできますが、本数が少ないため、車があると安心です。

村内には歴史的な史跡や、春に一面に咲くクリムゾンクローバーの花畑など、自然と文化を感じられる場所もたくさん。少しアクセスは大変かもしれませんが、そのぶん豊かな自然や静かな時間を楽しめる、のんびりした魅力が詰まった場所です!

近年では、移住支援や子育て環境の整備にも力を入れており、地域とのつながりを大切にしたいと考える方にとって、穏やかで住みやすい環境が整っています。

葛尾村に着いたらまずは「あぜりあ」へ

自然豊かな葛尾村を訪れたら、最初に立ち寄りたいのが「あぜりあ」。2018年にオープンしたこの施設は、村の人たちや訪れた人同士が気軽に交流できる場所として親しまれています。

館内には、地元の特産品を紹介・販売する物産コーナーがあり、山菜や手作りの味噌、葛尾産のはちみつなど、素朴で温かみのある品がそろいます。

木のぬくもりを感じる建物は、古民家の古材を使って建てられていて、どこか懐かしく落ち着ける雰囲気。旅の合間に、ほっとひと息つける場所です。

■あぜりあ
住所/福島県葛尾村落合落合20-1
電話/0240-23-7767(葛尾むらづくり公社)
開館時間/9:00~17:00
定休日/月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始休(12/29~1/3)
⇒公式HPはこちら

あぜりあ周辺で注目!おみやげの買える自販機

「あぜりあ」を訪れたら、ぜひチェックしてほしいのが、入り口横にある冷凍自販機。ここでは、葛尾村産のブランド羊肉「メルティーシープ」が購入できます。

メルティーシープは250gで2,500円ほどと、自分へのご褒美やおみやげにぴったりな上質なお肉です!赤身がやわらかく、口の中でほどよくとろける食感が特徴で、それが「メルティー」の名前の由来にもなっているそう。

冷凍とは思えないほど品質がよく、気軽に国産羊肉を試せるのも嬉しいポイント!自販機なので、施設の営業時間に関係なく購入できるのも便利です。

村の安全を見守る「しみちゃん」

ちなみに、「あぜりあ」のすぐ近く、交差点に立っているのは、葛尾村のご当地キャラクター「しみちゃん」の交通事故防止の飛び出し坊や。村を訪れたら、ぜひ探してみてほしい小さな名物です。

葛尾村では「交通事故ゼロ」を長年目標にしていて、過去にはなんと1万日以上も無事故を達成したことも!かわいい「しみちゃん」は、そんな村の思いを伝える存在として、地域の人たちに親しまれています。

森の中のキャンプ場「葛尾村森林公園 もりもりランド・かつらお」で過ごすスローな時間 森の中のキャンプ場「葛尾村森林公園 もりもりランド・かつらお」で過ごすスローな時間

ゆったりとした森の中で過ごせる「もりもりランド」

葛尾村の大自然を感じて、のんびりと静かな時間を過ごしたい方には「葛尾村森林公園 もりもりランド・かつらお」を訪れましょう。

村の山あいに広がる森林公園内にあるキャンプ場で、森に囲まれた約4ヘクタールの敷地には、林間サイト・オートキャンプサイト・バンガローなどが整備されています。

管理棟にはレンタル用品が展示されています

木々に囲まれたサイトはどこも落ち着いた雰囲気で、初めてのキャンプにもぴったり!設備も新しく、清潔感があり安心して利用できます。

森の中にある林間サイトは、周囲との距離があるためプライベート感たっぷり。ソロやペアキャンプに人気です。車を乗り入れられるオートキャンプサイトもあり、荷物の多いファミリーにも便利。屋根付きで快適に過ごせるバンガローもあるので、テント泊が不安な人でも自然の中での滞在を気軽に楽しめます。

使いやすいキャンプ用品が揃っています

日中は木陰を抜ける風が心地よく、夜になると聞こえるのは鳥の声や木々を揺らす風の音だけ。都会の喧騒を忘れて、ゆったりとした時間を過ごせるキャンプ場です。

テントやシュラフ、バーベキューコンロなどのレンタル用品も充実しているので、手ぶらでも気軽にアウトドア体験ができるのも嬉しいですね!

爽やかな森の中を自転車で駆け抜けてみよう

キャンプ場でのんびりとした時間を楽しんだあとは、森の中をゆったりとサイクリングしてみるのもおすすめです。

施設内ではマウンテンバイクの貸し出しも行っていて、木立の中を静かに走る心地よさは、ここならではの体験。春や初夏には木々の間を抜ける風が気持ちよく、バードウォッチングにもぴったりの季節です。

地元の方によると、カワラヒワやヤマガラ、キビタキなど、色とりどりの小鳥たちが見られるそうで、鳥のさえずりに耳を傾けながらのんびりとした時間を楽しめます。

キャンプ場内では、季節によって様々な生き物達に出会えます

春から夏にかけてはアゲハチョウやトンボ、カブトムシ、クワガタ、小さなカエルたちの姿も。秋にはコオロギやカマキリなどの虫たち、運がよければリスやキツネといった森の動物が現れることもあるそうです!

バーベキュー用に、自分好みの食材を持ち込んで

葛尾村の自然をたっぷり満喫したあとは、お待ちかねの夜ごはん。キャンプといえば、やっぱりバーベキューです!

「葛尾村森林公園 もりもりランド・かつらお」では、木々に囲まれた静かな環境の中で、のびのびとバーベキューが楽しめます。

鳥のさえずりや風に揺れる木々の音をBGMに、仲間と囲む焼きたてのお肉は格別。食材のセット販売はありませんが、自分たちで好きな食材を持ち込めるので、メニューを考えるところから楽しめるのも魅力のひとつです!

夜は焚き火を眺めてリラックス

焚き火台の貸し出しもあるので、夜は火を囲んで語り合うのもおすすめです。「焚き火の揺らぎを眺めると癒される」という方も多いのではないでしょうか。

パチパチと音を立てながら燃える炎の前では、普段はなかなか話せないことも自然と口にできてしまうような、そんな不思議な魅力があります。ゆらめく炎を見つめながら過ごす時間は、忘れられない思い出になるはず!

バンガローのテラスで、爽やかな朝の時間を

焚き火のぬくもりに包まれた夜を過ごしたあとは、静かな朝を迎えましょう。

4棟のバンガローにはそれぞれテラスがついていて、朝の澄んだ空気の中で飲むコーヒーは格別。森の中に差し込むやわらかな光を感じながら、ゆっくりとした時間を楽しめます。

キャンプらしい朝ごはんを楽しんで

キャンプの朝は、シンプルなサンドウィッチがよく合います。のんびりと澄んだ空気を感じながら、ゆったり味わうひとときはとても気持ちがいいもの。

食材は前日までに自分たちで用意しておくのがおすすめで、キャンプ場近くにはスーパーなどがないため、事前に買って持ち込むのが安心です。

朝の調理は、それぞれのテントやバンガローの前で。手軽に作れるメニューを準備しておけば、忙しくない朝を楽しめます。前日のアウトドア気分をそのままに、自然に包まれた静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

■葛尾村森林公園 もりもりランド・かつらお
住所/福島県葛尾村葛尾敷井畑194
電話/0240-37-4100(9:00~17:00、キャンプ場直通)
営業期間/4月中旬~11月30日
⇒公式HPはこちら無料レンタルサイクルで「高瀬川渓谷」をのんびり散策 無料レンタルサイクルで「高瀬川渓谷」をのんびり散策

2日目は「復興交流館あぜりあ」で無料の自転車レンタルを

2日目の朝は、「あぜりあ」で自転車を借りて、爽やかな「高瀬川渓谷」へと向かいます。

前日に続き、自然を感じながらのサイクリングはとても気持ちのいいスタートに。
自転車のレンタルは無料で利用できますが、貸出の際には身分証のコピーが必要になるため、事前に準備しておくとスムーズです。

美しい水の流れに癒される「高瀬川渓谷」

サイクリング中は、川の音や木々のざわめきが心地よくて、季節ごとに違った景色が楽しめます。

20分ほど爽やかな森の中を進むと、目的地の高瀬川渓谷に到着!

高瀬川渓谷は、葛尾村の自然を感じられる静かなスポットです。春は新緑、秋は紅葉が綺麗で、散策や写真にもぴったり。人も少なく、ゆっくり自然を味わいたい人におすすめです。

道中に咲いている季節の花々との出会いも楽しんで

道中には季節の花が咲く場所もあり、足元に咲くスミレやニリンソウ、タンポポ、ヒメジョオン、ナズナ、ユリなどの草花が、景色にやさしい彩りを添えてくれます。

地元で愛される「石井食堂」で絶品チャーハンを堪能 地元で愛される「石井食堂」で絶品チャーハンを堪能

テレビでも紹介される人気店「石井食堂」

サイクリングでお腹がぺこぺこになったら、地元で人気の「石井食堂」で腹ごしらえ。

葛尾村にある昔ながらの食堂で、庶民的な雰囲気の店内は一人でも入りやすいのが特徴です。

昔ながらの雰囲気が感じられる過ごしやすい店内

ラーメンやカツ丼など、ボリュームのあるメニューがそろっており、しっかり食べたいときにぴったりです。

地元の人に親しまれてきた味を楽しみながら、ゆったりとしたひとときを過ごせます。

石井食堂の看板メニュー、チャーハン(写真は大盛1100円。並盛は950円)

看板メニューの「チャーハン」は、見た目もボリュームもインパクト抜群!ふんわり炒められたご飯に、やさしい味付けがよく合い、見た目以上にぺろっと食べられる一品です。

カツ丼やラーメン、焼肉定食などの定番メニューも豊富で、どれもボリューム満点。しっかり食べたいときにも満足できる内容です。

もし食べきれなくても、持ち帰り用の容器が用意されているので安心!気兼ねなく注文できるのも、うれしいポイントのひとつです。

■石井食堂
住所/福島県葛尾村落合西ノ内9
電話/0240-29-2030
営業時間/11:00~18:30
休業日/毎週日曜日

絶景!大迫力の風力発電所展望施設を見に行こう 絶景!大迫力の風力発電所展望施設を見に行こう

葛尾村の「風力発電所展望施設」は阿武隈高原の尾根沿いにある見晴らしのいいスポットです。ここからは阿武隈風力発電所(16基)と葛尾風力発電所(5基)、計21基の風車群を一望できます。

直径約100メートル、高さ約150メートルの巨大な風車がゆっくりと回る様子は迫力満点!

展望台には石のベンチやテーブル、トイレも完備されており、車20台分の駐車場があるので気軽に立ち寄ることができます。

おすすめは晴れた日。青空の下でゆっくり回る風車を眺められ、夕暮れ時には夕陽に照らされた幻想的な風景が広がります。時間を忘れてのんびり過ごしてみませんか?

また、敷地内には50メートルを超える巨大な予備のブレード(羽根)が保管されています。

その大きさを間近で見たり、実際に触れたりできる貴重な体験も、この施設ならではの魅力です。

超軟水!「せせらぎ荘」の大浴場でまったり 超軟水!「せせらぎ荘」の大浴場でまったり

のんびり過ごしたい旅の途中で、立ち寄りたいのが「せせらぎ荘」の大浴場です。

「葛尾村みどりの里 せせらぎ荘」は、葛尾村の里山にある日帰り&宿泊可能な温泉施設。肌にやさしい超軟水のお湯が自慢で、地域の人々や観光客が気軽に利用できる憩いの場として親しまれています。

豊かな自然に囲まれた館内で、ゆったりと湯に浸かれば、日々の疲れもやわらぎます。

木々の緑も楽しめる大浴場

浴室は男女別に内湯が一つずつあり、清潔感のある落ち着ける空間です。
アメニティも一通り揃っているので気軽に立ち寄れます。

肌触りが心地よい「超軟水」の湯

お風呂のお湯は、五十人山の地下から汲み上げた天然水を沸かした「超軟水」。
柔らかい肌触りで、湯当たりしにくく、湯上がりは肌がすべすべに感じられると評判です。

季節ごとの景色を楽しみながら、心と体を癒す時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

■葛尾村みどりの里 せせらぎ荘
住所/福島県葛尾村落合菅ノ又6-5
電話/0240-37-4800
営業時間/日帰り入浴は11:00~19:00
定休日/月曜(祝日の場合は翌平日)
入浴料/大人500円、小人300円 、乳幼児は無料
駐車場/ 15台(無料)

ブルーベリーソースを使ったソフトクリーム

お風呂上がりの一番の楽しみといえば、やっぱりソフトクリーム!

せせらぎ荘の大浴場で体がぽかぽかに温まったら、「あぜりあ」へと戻りましょう。

あぜりあ敷地内のトレーラーハウスでソフトクリームを販売

ここで食べられるソフトクリームは、濃厚なのにすっきりで、ついもう一口食べたくなる味。
季節によっては限定フレーバーがあることも!

自然に囲まれたベンチでのんびり味わえば、緩やかな1日を締めくくるのにちょうどいいご褒美になります。

次のお出かけは「何もない」が素敵な福島・葛尾村でのんびり旅はいかが?

福島県葛尾村は、大きな観光地はないけれど、静かな自然とあたたかな日常があります。
高瀬川渓谷の散策や、もりもりランドで過ごす朝、素朴なご飯や湯上がりのソフトクリーム。どれも派手ではないけれど、心に残るやさしい体験です。

「なんにもない」があるからこそ、贅沢なのんびり旅が叶います。次の旅は、葛尾村で心と体をリセットしてみてはいかがでしょうか。

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