米ワシントンの連邦地裁は3日、議会が承認した約120億ドル(約1兆7800億円)の対外援助資金をトランプ政権が一方的に削減することを禁止した。

  同地裁のアリ判事は援助資金の執行を政権が拒んだ行為は、連邦機関の意思決定を規定する米国法に違反した可能性が高いとの判断を示した。

  米司法省は直ちに控訴する見通しで、必要であれば最高裁まで争い続けるとみられる。 

  非営利団体や企業は、過去に議会が承認した約300億ドルの対外援助資金の執行をトランプ政権に求め、訴訟を起こしている。

  裁判の焦点はここにきて、2024年の法律で承認された資金のうち、訴訟が終了する前に失効の恐れがある分に絞られつつある。原告側は、残る資金についても引き続き請求を続ける構えだ。

  アリ判事は「議会の歳出決定は順守されなければならないという基本的な期待を覆す理由を政権は何ら示していない」と指摘。資金削減の決定は、行政手続法(APA)に違反していると結論付けた。

  トランプ大統領は、今年失効予定の対外援助資金のうち40億ドル余りの返上を議会に要請したばかり。トランプ氏のこうした動きは「ポケットリセッション」と呼ばれ、議会が9月末までに対応しなければ、その予算の執行を回避できるとの思惑が見え隠れする。

  同氏は今後も議会の権限を回避する手段として、タイミングを推し量ったこうした手法を行使できるかどうかを試していると広く受け止められていると、ブルームバーグ・ニュースは先に報じていた。

  ホワイトハウスに通常の業務時間外に問い合わせを行ったが、返答は得られなかった。 

原題:Trump Foreign Aid Block Stopped Again as Billions Set to Expire (抜粋)

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