ウォール街の複数の有力ストラテジストが、今後数カ月に欧州株が上昇する可能性が高いとみている。堅調な経済見通しが、株価を狭い値動きのレンジから脱却させると予想している。
ゴールドマン・サックス・グループの市場予測チームは、欧州の代表的株価指数であるストックス欧州600指数が2025年末までに約2%上昇し、560前後になると見込んでいる。成長見通しの改善や投資家のポジションが軽いこと、相対的な割安感が株価を押し上げる要因とされている。
チームを率いるシャロン・ベル氏は、ドル安やテクノロジー銘柄への投資集中を背景に「米国への投資偏重を回避したいという意識が高まっている」とも指摘した。今後1年でストックス欧州600が5%上昇すると予想している。
ベル氏は5月に、欧州株が1-3月(第1四半期)のような好調を再現する可能性は低いと予測した。実際、ベンチマーク指数は3月に記録した過去最高値をなかなか上回れずにいる。
JPモルガン・チェースのストラテジスト、ミスラフ・マテイカ氏は1日のリポートで、株価上昇が勢いを失ったのは「健全」であり、年初の時点では市場心理が楽観的過ぎたと指摘した。
その上で、「買い時が近づいている」と記し、中国株の最近の回復を材料に挙げた。中国は、欧州の鉱業、自動車、高級ブランド企業にとって重要な市場となっている。
マテイカ氏はまた、今後1-2カ月はユーロ圏の株式が米国株を上回るパフォーマンスを示す可能性があるとの見方も示した。
原題:Goldman, JPMorgan Say Europe Stocks Are Attractive Into Year End(抜粋)
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