対話型人工知能(AI)「ChatGPT」を展開する米オープンAIは、ソフトバンクグループおよび米オラクルと進めている「スターゲート」プロジェクトの一環として、インドで少なくとも1ギガワット規模の巨大データセンターを建設することを検討している。アジアのAIインフラを強化する。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  オープンAIは現地パートナーを探しながら用地調査を進めており、人口世界一のインドにおける事業展開の大きな一歩となる可能性がある。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。同社の担当者はコメントを控えた。

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  具体的な施設の場所や稼働時期は明らかになっていない。関係者によれば、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が今月、インドを訪問する際に発表する可能性もあるが、予定は流動的だという。

  オープンAIはインドでの事業拡大を目指すが、米国とインドの間には通商を巡る緊張が走っている。トランプ米大統領は、インドの貿易障壁やロシア産原油の購入を理由に、同国からの輸入品に50%という高関税を課しており、数十年にわたる米国の対インド関係強化の努力を揺るがしている。

Sam Altman

オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者

Photographer: Kosuke Okahara/Bloomberg

  カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くオープンAIは、国内外でAIインフラ向けの大型投資を加速。米国内ではスターゲート構想に基づき合わせて約4.5ギガワット規模のデータセンターを建設するプロジェクトが進行中。これまでに類を見ない大規模な事業とされ、トランプ米大統領からも称賛された。

  オープンAIはまた、米国政府との協力を通じて「オープンAI・フォー・カントリーズ」というグローバル展開の構想下で民主主義の価値観に基づくAIインフラの構築も推進している。米国が世界的にAI開発を主導し、中国の動きに対抗しようとする取り組みの一つだ。

  同社はあらゆる地域を対象に、まず10カ国のパートナー国を模索しており、これまでに30カ国以上が接触してきたという。これまでに、ノルウェーで進められている最大520メガワットの電力消費規模を持つデータセンター計画にアンカーテナントとして参画する意向を明らかにした。またアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでは、さらに大規模な5ギガワット級データセンターが計画されており、このうち1ギガワット分のコンピューティングパワーをオープンAIが利用できる予定だ。

  オープンAIのインドでの利用者数は現在、世界で2番目の多さ。首都ニューデリーにオフィスを開設する予定で、現地チームの採用も拡大する。さらに、より多くの利用者を取り込むため、月額5ドル(約735円)の有料プランも導入した。

we are opening our first office in india later this year! and i’m looking forward to visiting next month.

ai adoption in india has been amazing to watch–chatgpt users grew 4x in the past year–and we are excited to invest much more in india!

— Sam Altman (@sama) August 22, 2025

原題:OpenAI Plans India Data Center in Major Stargate Expansion (1) (抜粋)

(情報を加えて更新します)

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