8月29日、ブラジルのルラ大統領(写真)はラジオ番組で、トランプ米大統領がブラジルからの輸入品に最大50%の関税を課したことへの報復措置について、「急ぐ必要はない」との見解を示した。写真は8月、ブラジリアで撮影(2025年 ロイター/Adriano Machado)
[サンパウロ 29日 ロイター] – ブラジルのルラ大統領は29日のラジオ番組で、トランプ米大統領がブラジルからの輸入品に最大50%の関税を課したことへの報復措置について、「急ぐ必要はない」との見解を示した。その上で米国との貿易交渉には前向きな姿勢だと改めて強調した。
ブラジルの外務省は産業・貿易省傘下の貿易審議会(CAMEX)に対し、同国の相互主義法が米国に対して適用可能かどうかの分析を開始するよう指示した。ルラ氏は「これは少し時間がかかるプロセスだ」とし、「米国に対してわが国も取ることができる措置があることを伝える必要がある。しかし急いではいない。私が望むのは交渉だ」と語った。
ブラジルのプラゼレス対外貿易長官も29日の在ブラジル米国商工会議所主催のイベントで、相互主義法は最終的にトランプ政権との合意形成を目的としていると表明。いかなる報復措置も長いプロセスを伴い、米国との協議が必要になると指摘した。
トランプ氏は、自身と良好な関係を築いていたブラジルのボルソナロ前大統領がクーデターを企てたとして起訴されたことを「魔女狩り」と主張。またブラジルとの貿易が不公平だと批判し、ブラジルからの輸入品への関税を10%から最大50%へ引き上げた。
コーヒーや肉類を含めて米国がブラジルから輸入している主要商品が関税引き上げの対象となった。一方オレンジジュースや航空機などは適用が除外された。
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