能登半島地震で被害を受けた建物の公費解体について石川県七尾市では29日、県内で最後となる申請の締め切り日を迎えました。
【写真を見る】石川・七尾市の公費解体率57.1%で県内最低 申請最終日 担当者「“半壊”が多く住民が悩むケース」
住民からはぎりぎりまで悩んだ末に決断した葛藤の思いが聞かれました。
「この壁が…戸も開かん」
七尾市赤浦町に住む屋木忍さんと節子さん夫婦。震災で自宅の壁には大きな亀裂が入り、家が歪んで動かない戸もあるといいます。
■悩んで悩んで最終日に申請
およそ40年前、夫の忍さんが自ら建てた家を公費で解体することを決断、次の住まいはまだ決まっていません。
屋木忍さん「今日行ったってことは悩んで悩んで最後の日やってん。これから壊さんなん。壊してどっか入るとこ探さないとね」
七尾市で29日、最終日を迎えた公費解体の申請。
妻・節子さん「お父さん自体が壊したくなかった。ふんぎりつけてきました」
■七尾市の解体率は57.1%と最低
屋木さん夫婦のほかにも、多くの住民が窓口に詰めかけていました。
住民「家は半壊で修理してもらってから水漏れがひどくなってきてお風呂場とか配管から全部水漏れしている。すごく愛着があったのでなかなか壊すかどうか昨日まで悩んでいた」
県内では7月末までに、解体が必要とされる4万棟あまりのうち、8割近くの作業が完了。
自治体別では穴水町が最も高い一方、七尾市の解体率は57.1%と最低です。
七尾市環境課・高瀬秀一課長「七尾市は奥能登に比べて全壊は少なく半壊が多い。半壊だとお住まいになられていたり解体するしないでお考えになったりということがあると感じている」
石川県では、10月までにすべての公費解体を終える方針で、七尾市は市民の意向を確認しながら、作業を加速させたいとしています。
北陸放送
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