復帰はやっぱりスイスで 旅人ゴルファー・川村昌弘が欧州ツアーに帰ってきた

桂川有人選手、中島啓太選手と一緒に。欧州ツアーに戻ってきました

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・32歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。

いま僕はクラン・モンタナにいます。

両手首の手術とリハビリを経て、ようやくDPワールドツアー(欧州ツアー)に帰ってくることができました。公傷制度を利用して、昨年9月の「アイルランドオープン」以来、およそ1年ぶりに主戦場のコースに立てます。

復帰戦は「オメガ ヨーロピアンマスターズ」。僕の旅好きの原点でもある、アルプスを望む大好きなスイスのゴルフ場がリスタートの舞台。今回がキャリアでちょうど10回目の出場になります。開幕2日前はさっそく、中島啓太選手、桂川有人選手と一緒に練習ラウンドをしてきました。

カムバックまでの準備期間に日本ツアーに3試合出場し、今月は石川県での「リシャール・ミル チャリティトーナメント」、「ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディ取れるんだトーナメント」でプレー。スコアはどちらも通算15アンダー、22位と57位という成績は少々ストレスが溜まるものでもありました。

とりあえず4日間無事に回れて、手首が耐えられると確認できたのは好材料ですが、まだ試合を戦うにあたって、できることと、できないことがあると感じます。自分が頭に描く欧州ツアーの狭いフェアウェイ幅をとらえるショットの精度はあるのか、もう少ししっかりした球を打てないと無理なんじゃないか、と自分で自分を追い込んだ時間だったようにも思います。

そうは言っても、ツアーのメンバーや関係者に久々に会えたのは何よりの喜びでもありました。まだ手術した傷跡が生々しく、とくに右手首には稲妻のような縫い目が残っていて…。反応は様々ですが、「カッコよくなったじゃん」と冗談めかして声をかけてくれる選手もいました。

まずは出場権のある向こう7大会でポイントを稼ぎ、シード権を確保することが最初のターゲット。“普通にやれれば”、クリアできそうなハードルだとも思いつつ、これだけのブランクがあって試合をこなせるのかという不安もあります。

しかし、僕はこの7試合のためだけにオペに踏み切ったわけではありません。もっともっと先のキャリアを見据えて手術をしたことを忘れずに、旅を再開させたいと思います。

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