フランス10年債の同年物ドイツ国債に対する利回り上乗せ幅が27日の取引で拡大。このまま終了すれば、1月以来の最大水準となる見通しだ。仏政治情勢を巡る懸念が背景にある。

  フランス10年債利回りは一時5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.55%。ドイツ10年債との利回り差(スプレッド)は81bpに達した。2週間前には65bpだった。仏30年債利回りは4.45%と14年ぶりの高水準を付け、ユーロ圏ではイタリアに次ぐ高い水準となった。

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  フランスのバイル首相が25日、内閣の信任投票を9月8日に実施すると明らかにして以降、仏市場に注目が集まっている。投票では7月に編成方針を公表した2026年緊縮予算案の賛否を問う。

French Risk Rising | Yield premium rises to 80bps for the first time since April

 

 

  この日の債券相場の動きは週初に比べればやや落ち着いているものの、フランス国債市場ではポジションが積み上がっていることから、売りが加速すれば前回に政治的不透明感が高まった局面よりも急激な下落となる可能性がある。

  今後数カ月に予定される3件の格付け見直しも、相場のさらなる変動要因となり得る。フィッチ・レーティングスは9月12日に予定しており、信任投票の数日後に当たる。

  ジュピター・アセット・マネジメントのマネーマネジャー、ジェームズ・ノボトニー氏(ロンドン在勤)は「格下げがあれば、大きな問題となる。投資家は保有資産の見直しを迫られる可能性がある」と指摘。フランスの財政状況は域内で際立って悪いと付け加えた。「フランスは長らく、欧州の中核国としての立場に守られてきた」と語った。

原題:Key French Risk Gauge Hits New Landmark as Political Fears Grow(抜粋)

 

(相場を更新し、市場参加者のコメントなどを追加します)

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