NZ、米関税の影響で利下げ効果顕現化に遅れ=中銀総裁

 8月21日、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)のホークスビー総裁は、米関税を巡る不透明感が企業と消費者の景況感に打撃を与えているため、実体経済に対する利下げの効果顕現化に時間がかかっているとの見解を示した。写真はRBNZの入口。2022年11月、ウェリントンで撮影(ロイター/Lucy Craymer)

[ウェリントン 21日 ロイター] – ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)のホークスビー総裁は21日、米関税を巡る不透明感が企業と消費者の景況感に打撃を与えているため、実体経済に対する利下げの効果顕現化に時間がかかっているとの見解を示した。

RBNZは20日の会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げて3年ぶりの低さとなる3.00%にすることを決めるとともに、追加利下げの可能性を示唆。昨年8月以降の利下げ幅は計250bpに達している。

ただホークスビー氏は議会で、関税引き上げと貿易障壁の高まりが世界全体にマイナスの需要ショックを生み出していると指摘。「われわれが目にしているのは利下げへの反応が想定よりもやや遅くなっている事態だ」と語り、その一因としてトランプ米大統領が4月に発表した「相互関税」とそうした措置を取り巻く不確実性を挙げた。

ホークスビー氏は「5月以降われわれにとって予想外なのは、米関税について最悪シナリオが回避されたにもかかわらず、ニュージーランドの企業と消費者の心理が悪影響を受け続けていることだ」と発言した。

米国がニュージーランド製品に適用した関税率は15%で、当初提示の10%から上がったものの、他の多くの国・地域よりは低い。

ホークスビー氏は、米関税は多くの国内業界に影響を与えるだろうが、より影響が大きいのは、世界経済の軟化がモノとサービスの需要をどの程度減退させるかになると述べ、政策金利決定の面でそこを重視すると説明した。

一方でRBNZは今後ニュージーランド経済が改善し始めると想定している。

ホークスビー氏は「トンネルの出口に光が見える」と強調し、RBNZとしては第2・四半期が景気の底だと考えていると付け加えた。

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