国連開発計画(UNDP)は、2025年8月20日から22日まで横浜で開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)において、アフリカと日本の首脳、国際機関、ビジネスリーダー、市民社会、そして若者と共に、イノベーション、若者の力、持続可能な金融、平和構築を中心とした共通の開発課題に取り組みます。

UNDPは共同主催者としてハイレベルな議論を主導し、新たなパートナーシップや革新的な取り組みを発表します。アフリカの全域で影響を及ぼしている活動に光を当てるとともに、レジリエンスや包摂的な発展を目指す実践的な行動を推進する役割を果たします。

ハイレベル会合でのリーダーシップ

TICAD9においてUNDPは、アフリカと日本の首脳級が集う全体会合やハイレベルセッションに参加します。

徐浩良(ハオリャン・シュウ)UNDP総裁代行やアフナ・エザコンワUNDPアフリカ局長らが登壇し、包摂的成長、地域統合、平和構築、開発金融への強いコミットメントを表明します。

気候変動や経済変革、平和構築の緊急性が増す中での開催であることから、UNDPの果たす役割は極めて重要です。

長年TICADプロセスの主要パートナーとして活動してきたUNDPは、アフリカ全域で培った豊富な経験と官民連携の基盤を活かし、具体的な行動計画を提起することが期待されています。

これにより、日本とアフリカの協力関係は一層深まり、持続可能な未来へのロードマップが強化される見込みです。

若者と共創する未来

TICAD9では、特に若者の参画が強調されています。UNDPは「TICADユースフォーラム」をはじめ、「模擬アフリカ連合会議」「ユースドライブ」「若者が起爆する成長革命」などのテーマ別イベントを通じて、次世代リーダーたちの意見を積極的に取り入れます。

これらの場では、起業家精神や協力の未来像、人と人との交流を通じた新たなネットワーク構築が推進されます。

また、国際的な音楽スターでUNDPアフリカ局親善大使でもあるパトランキング氏が参加し、若者の声を世界に広める役割を担います。若者自身が未来の変革の主体であることを明確に示すことで、アフリカ社会における人材育成とイノベーションの加速が期待されます。

テーマ別イベントとイノベーションの推進

UNDPはTICAD9期間中、多様なテーマ別イベントを主導します。「医療技術のイノベーションと公平性」では保健システムの強靭化を、「人間の安全保障と経済開発」では地域制度に根差した政策を提示します。

さらに「人道・開発・平和ネクサス」「アフリカのためのAIトランスフォーメーション」「サヘル地域における資金調達モデル」「アフリカの信用格付」など、幅広い分野で議論を展開します。

これらのイベントは、AI人材育成や革新的資金調達モデルの共有、難民支援や経済包摂といった課題解決に直結し、アフリカにおける持続的成長のための具体的な行動につながります。UNDPはマルチステークホルダーを巻き込み、イノベーションを基盤とした未来構築を進めるのです。

パートナーシップと万博連携

TICAD9では複数の重要な連携が発表されます。UNDPと東京大学はAI・デジタル分野での起業支援を強化し、UNDPと豊田通商は西アフリカでの安全運転と技能訓練に関するパートナーシップを発表予定です。

さらに、JICA、JETRO、UNIDOを含む4機関との協力枠組みが更新され、投資促進やイノベーション・エコシステム、若者起業家支援が推進されます。

また、TICAD9と連動して大阪・関西万博の「AFRICA WEEK」でも展示や体験型プログラムが展開され、日本の若者を中心にアフリカへの理解を深める機会が提供されます。

これらの枠組みにより、日本とアフリカは経済・社会両面での連携を深化させ、より強固なパートナーシップを築いていきます。

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