スイスの金精錬セクター、米国の関税で打撃を受ける - FashionNetwork 日本

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AFP

掲載日

2025年8月10日

スイスから米国への輸入品に対する39%という高率の関税の最初の犠牲者は、金の精錬かもしれません。

金の延べ棒は、宝飾品、時計製造、工業製品、ハイテク製品、そして銀行セクターの市場に再導入されます。 – Reuters

米国の税関当局が、1キログラムもしくは100オンス（2.8キログラム）の金の延べ棒は、いわゆる相互関税の対象に分類されるべきであると明らかにしたことを受け、米国の先物市場の金の価格は、金曜日に記録的な高値となりました。

この7月31日付の書簡は、フィナンシャル・タイムズによって木曜日遅くに最初に報道されました。

しかし、ホワイトハウスの関係者がAFP通信に語ったところによると、ドナルド・トランプ大統領の政権は、「近い将来、金の延べ棒やその他の特殊製品の関税に関する誤った情報を明確にする大統領令を発行する」予定であるとのことです。

これは、トランプ大統領が不公平な貿易赤字と見なすために課している「相互」課税の対象から金地金が除外されることを意味するのかは、すぐには明らかではありません。

1キロ金地金は、世界最大の先物市場であるコメックスで最も取引されている金地金であり、スイスは現物市場の主要な供給国です。

金の延べ棒は、トランプ大統領の国全体の関税から除外される別の関税コードに分類されるとの予想が広まっていました。木曜日には、数十カ国において、より高い “相互 “関税率が適用されました。

スイス政府関係者は今週ワシントンに赴き、現在15％の関税率に直面している欧州連合（EU）と同様の取り決めを求めました。しかし、手ぶらで帰国しました。税関の更新は、金取引がスイスの貿易収支に重くのしかかっているため、スイス政府へのプレッシャーを増大させました。

Cite Gestionの投資戦略責任者であるJohn Plassard氏は、金の精錬事業の一部は、アントワープのような他の産業の中心地に流れるだろうと予想しています。ベルギーのアントワープで生産される金の延べ棒は、EUの商品に適用される15％の米国関税に直面しています。

スイスには、世界最大の金精錬所が4つあり、その中でも最大の精錬所は、イタリア語圏のバレルナにあるValcambiです。

これらの精錬所では、鉱山から産出された未精製の金、リサイクルされた宝飾品、純度の低い延べ棒などを輸入し、高品質の延べ棒に加工しており、スイスは、世界的な金取引の拠点となっています。

こうして作られた地金は、宝飾品、時計、工業製品、ハイテク製品、銀行、中央銀行の準備金として再び市場に出回ります。

スイス連邦関税局の報告によると、スイスは2023年に2,372トンの金を輸入し、1,564トンを再輸出しました。

これらの輸出額は880億スイスフラン（現在のレートで1,090億ドル）に達し、主な買い手は中国で251億スイスフラン、インドで131億スイスフランでした。

銀やパラジウムのような他の貴金属を含めると、スイスの貴金属製造業者・貿易業者協会によると、このセクターはスイス国内で1,500人の直接雇用と1,000人の間接雇用を生み出しています。

スイス経済事務局（SECO）によると、2023年、スイスは、世界全体の精錬金の34％を占めています。

スイスから米国への金の輸出は、2023年の61億スイスフランからほぼ倍増し、昨年110億スイスフランに急増しました。また、スイス税関がAFP通信に提供したデータによると、2024年上半期の17億スイスフランに比べ、2025年上半期は392億スイスフランと急増しています。

そのほぼ全て、376億フラン相当の金が2025年の第一四半期に輸出されました。その後、第2四半期には約16億フランに急減しました。

スイスのカリン・ケラー＝スッター大統領は木曜日、トランプ大統領が米国の対スイス貿易赤字をどのように評価し、高関税を課したかについて強く反対しました。彼女は、2024年の金輸出の増加が赤字の増加につながったと述べました。

スイスの新聞ル・タン（Le Temps）は火曜日、スイスへの関税を計算するためにホワイトハウスは2024年のデータのみに頼っているようだと指摘しました。

スイスから米国への金の輸出は、トランプ氏が大統領選で勝利した11月に急増し、金のような「安全な避難所」投資の急増を引き起こしたと述べています。

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