絶対王者がまさかの陥落――。WBA、WBC世界フライ級統一王者の寺地拳四朗(BMB)が挑戦者リカルド・サンドバル(アメリカ)に2-1の判定負けを喫した。軽量級に詳しい海外記者「格下相手だと集中力を保つのが難しくなることがある」【NumberWebレポート全2回の前編/後編へ】

 リングマガジンのパウンド・フォー・パウンド・ランキングでもトップ10にランクされる寺地とあって、今回の敗北は海外でも話題を呼んだ。ライトフライ級、フライ級の2階級で王座を統一し、今戦前も絶対優位と目されていた“Amazing Boy”の敗因はどこにあったのか。

 試合後、リングマガジンのマネージングエディターを務めるお馴染みのイギリス人ライター、トム・グレイ氏に意見を求めた。グレイ氏は“拳四朗の大ファン”を公言する人物。2021年9月の矢吹正道(LUSH緑)戦に続く拳四朗の2度目の挫折にショックを隠しきれなかった(以下、グレイ記者の一人語り)。

 拳四朗対サンドバル戦は素晴らしい内容だったと思う。敗れはしたものの、拳四朗の動きにはかなりキレがあり、コンディションは決して悪くはなかった。依然としてジャブ、コンビネーション、ボディ打ち、フットワーク、ディフェンス、ボクシングIQとそのすべてにおいてハイレベルなものを保っていると思えた。

 2021年9月、拳四朗は矢吹に大番狂わせで敗れた経験があるが、あのときは新型コロナウイルスによるパンデミックの影響もあってか動きが悪かった。当時と比べ、繰り返しになるが、サンドバル戦でのパフォーマンスがそれほど悪かったとは思わない。だから全盛期と比べて極端に力が落ちているとも私は考えていない。

WACOCA: People, Life, Style.

Exit mobile version