国際結婚で指輪を交換するカップル(写真:Lee Jae-Won/アフロ)
(立花 志音:在韓ライター)
今年になってから、「韓国人男性と日本人女性の国際結婚が急増している」というニュースが目立つ。
キッカケは3月に韓国の統計庁が発表した「2024年婚姻・離婚統計」である。それによると、韓国における昨年の婚姻件数は22万2412件で、前年比14.8%増加した。これは1970年に統計を開始して以来、最高の増加率だということである。
そして、韓国人男性と日本人女性の結婚は、2015年以降最多の1176件に達しており、前年比40%増ということだった。この統計が出てから、韓国ネットではこれに対する解説や後追い記事が多く出るようになった。
そもそも、韓国の婚姻件数増加の理由は、コロナの影響でのびのびになっていた結婚が一気に動き出しただけのことだろう。そう考えると国際結婚も、コロナ禍に負けずに遠距離恋愛を実らせたカップルが、一斉に結婚したと見るのもあながち間違いではないようだ。
実は数字だけで言うならば、筆者が夫と結婚した2005年の方が件数は多い。厚生労働省のデータでは2005年における「韓国人男性と日本人女性の婚姻件数」は2000件を超えている。さらに10年さかのぼった1995年には、2842件という数字が記録されている。
ただ、このデータには注意も必要だ。在日韓国人が含まれているのと、90年代は某宗教団体による集団結婚で韓国に渡る日本人女性が多かった時代だったからだ。この話題はまた別の機会があれば話したいと思う。
つまり、最近の日韓カップルブームは「数が増えたから」ということではなく、「急に見えるようになったから」ということではないだろうか。
最近はブログだけではなく、YouTubeで日韓カップルの発信をする人が増えたので、本当に誰でも簡単にその暮らしを見ることができる。つたない韓国語を話す日本女子は、韓国男子にとてもかわいく映るらしい。それも、ツボに入るタイプによっては相当な破壊力のようだ。
そして「韓国人男性はまめで優しくて愛情表現が豊か」という証言と、「韓国ドラマみたいな恋がしたい」という妄想が合わさって、韓国にあこがれを持った日本女子が留学に来たり、出会い系アプリから交流が始まったりするのだろう。
韓国人の恋人ができたら「ソウルを行き来したい」「韓国美容やファッションを楽しみながら暮らしたい」という願望が限りなく現実に近づくのは確かである。
しかし、その「まめで優しくて愛情表現が豊か」な韓国人男性が普段生きているリアル世界は、日本女子の想像を超える世界である、ということを声を大にして言いたい。
WACOCA: People, Life, Style.