NEXT…F1開催スケジュール
2025年07月23日(水)16:30 pm
記事要約
・ブエノスアイレスでF1復帰へ向けたサーキット改修計画が始動
・新レイアウトは観客視認性やMotoGP開催も想定した設計に
・2027年MotoGP開催を経てF1復帰を目指し、政財界の支援も活発化
■F1復帰へ動き出すブエノスアイレス──伝統のガルベス改修計画、コラピント支援の機運も高まる
フランコ・コラピントのF1キャリアがアルピーヌとの関係悪化により危ぶまれていると報じられる中、アルゼンチン国内では彼を後押しする動きが広がっている。そして、それは単なるドライバー支援にとどまらず、アルゼンチンのモータースポーツ全体にとって“再興”とも言えるプロジェクトが進行中だ。
その中心にあるのが、首都ブエノスアイレスの「オスカル・イ・フアン・ガルベス・サーキット」の全面改修計画である。このサーキットは1998年を最後にF1開催地から外れていたが、F1カレンダー復帰を目指し、大規模な再開発が行われることになった。
設計を担うのはF1界で数々のサーキットを手がけてきたヘルマン・ティルケで、計画は2027年のMotoGP開催を目指すFIAグレード2認証を取得する第1フェーズと、F1開催に必要なグレード1へのアップグレードを目指す第2フェーズに分けられている。
「フェーズ1ではMotoGP、フェーズ2でF1開催を想定しています。非常に面白いレイアウトになるはずです」とティルケ氏は『Soy Motor』に語った。
■F1仕様では全長500m延長へ、伝統の一部は“名”で継承
新レイアウトでは、かつての名物コーナー「ビボリータ」や「オンブー」は廃止されるが、その名称は引き続き使われるという。一方、「サロットカーブ」や「アスカリシケイン」は現行のまま存続する。
インフラ面でも大規模な改修が行われ、排水システム、縁石、電力供給、ピットやパドック、そして観客席は12万人規模に拡張される。
「我々の設計はドライバーだけでなく観客のためのものでもあります。観客の視認性を高める高低差や、360度型の観戦スタイル、そしてコンサートエリアも用意されます」とティルケ氏は説明した。
パドックの大幅拡張、ピットビルディングの増築、最新設備を備えたガレージなども計画に含まれている。
■着工は2025年11月、MotoGPは2027年3月に開催へ
工事は2025年11月に着工し、2027年2月に完了予定。MotoGPは2027年3月に初開催される。
F1開催に向けた専用レイアウトはMotoGP用より500メートル長くなり、2つのコーナーが追加で変更されるという。開催にはインフラ面のさらなる強化と、約4,000万ドル(約58億円)とされる年間開催料が必要となる。
しかしながら、アルゼンチン国内ではホルヘ・マクリ氏、オルリー・テラノバ氏、ダニエル・シオリ氏といった政財界の有力者たちが支援を表明しており、政治的・商業的な機運は着実に高まりつつある。
F1アルゼンチンGPが再び実現すれば、コラピントにとっても祖国の地でF1に参戦するという夢の舞台となるかもしれない。
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