【XCRスプリントカップ北海道第3戦/北海道ニセコ町周辺】
今季初のグラベルラウンドとなる全日本選手権併催のARKラリー・カムイ、XC-2クラスで番場彬選手/梅本まどか選手組が圧勝を飾った!
2022年に発足したXCRスプリントカップ北海道は、クロスカントリータイプのSUV車両によって競われる北海道で開催されているラリーシリーズ。4年目を迎えた今年は全6戦のカレンダーが組まれており、シーズンは去る2月に開幕。ここまで雪氷路を舞台とするウインターラリーが2戦開催され、3年連続でシリーズチャンピオンを獲得している番場彬選手(トヨタ・ハイラックス)が連勝を飾って、4連覇に向け好調な戦いぶりを続けている。
今季初のグラベル(未舗装路)ラリーとなる第3戦の『ARKラリー・カムイ』は、全日本ラリー選手権との併催でニセコ町を拠点に開催。蘭越町と、今年は新たに京極町にもSS(スペシャルステージ)を設け、11本のステージで合計距離は102.37kmというスケールの大きな一戦だ。
番場選手のコドライバーをつとめるのは開幕戦以来となる梅本まどか選手、このコンビは昨年の本大会でも優勝を飾っている。XC-2クラスは総勢7台が出場、番場選手組が駆る『GEOLANDARX-AT』を装着するトヨタ・ハイラックスを筆頭に、車種やタイヤのバラエティも増して盛り上がりを見せている。
競技初日の7月5日(土)、ニセコ地域は最高気温が30℃ほどの暑さとなった。この日は7本のSSが設定されるが、オープニングのSS1『STREAM1(11.04km)』で番場選手組は9分17秒5のステージベストを刻み、2番手のライバルに1kmあたり1秒以上速い15.3秒差をつけて早々に主導権を握った。
この勢いは留まることなく、SS2とSS3も制して3連続ステージベストをマーク。0.33kmのギャラリーショートステージこそわずかにベストタイムをライバルに譲ったが、45分間のサービスをはさんで迎えた後半もステージベストを連発、1分以上の大差をつけてトップで戦いを折り返した。
梅本まどかと番場彬がコンビを組むのは開幕戦以来となった。 2025年XCRスプリントカップ北海道第3戦ラリー・カムイ
勝負を決する6日(日)、この日は大会最長となる16.01kmの京極町のステージが含まれる。このステージは全体の3割以上がターマック(舗装路)区間となるが、前日に続いて気温が30℃近くまで上昇したことから高温下におけるグラベルのみならずターマックでのタイヤのパフォーマンスも試される展開に。
そんななか、『GEOLANDARX-AT』が番場選手組の走りを足元でしっかりと支え、この日のオープニングとなるSS8『SUNFLOWER1(16.01km)』で2番手に31.7秒差をつける圧巻のステージベストを叩き出し、トータルの差をさらに拡大。大量のマージンを背景にフィニッシュまで安定した走りでマシンを運び、終わってみれば2日間で11本のSS中、9本のSSでステージベストを奪って、2位に6分近い大差をつけて開幕3連勝を飾ることに成功した。
また、XC-3クラスでは相原泰祐選手/上原あずみ選手組(ダイハツ・ロッキー)が、タフなステージをしっかり走りきって3位表彰台を獲得、セレモニアルフィニッシュで揃って笑顔を見せた。
次戦は9月5日(金)~7日(日)に帯広市を拠点に開催される『RALLY HOKKAIDO』、ふたたび全日本ラリー選手権との併催でハイスピードかつ広大なフィールドへ『GEOLANDAR』が挑む。
ダイハツ・ロッキーを駆る相原泰祐/上原あずみ組がXC-3クラスを制した。 2025年XCRスプリントカップ北海道第3戦ラリー・カムイ
番場彬選手(CUSCO YH ジオランダー HILUX)
【今回の成績:XC-2クラス優勝】
「初日のSS4では自分のミスでリム落ちさせてしまいましたが、これは反省点となりました。また、今回は気温が高くなったこととステージにラフな箇所が多かったこともあり、ライバル勢でも同様でしたがブレーキの負担が大きい状況になりました。二日目では効きが強めのブレーキパッドを使い、最初はアジャストが難しい部分もありましたが次の『RALLYHOKKAIDO』に向けて良いデータ採りができました」
「今回はコーナーの脱出を早めるために、左足ブレーキを多用しました。ライバル勢もどんどん早くなっているので、自分としても持てる技を小出しにして対抗していかなければ、いつまでもうかうかしていられないですからね」
「ターマック区間ではハイラックスは車両重量があるので、フロントタイヤに頼る曲げ方ではすぐにロックしてアンダーステアを誘発するので、加速ベースのドライビングを心がけてタイヤをうまく使いました。グラベルも含めて路面温度の高さに対して『GEOLANDARX-AT』のパフォーマンスは全く問題なく、内圧の管理も狙いどおりでロングからショートまですべてのステージでタイヤからくる不安感は一切ありませんでした」
「XC-2も参戦台数が増えていますが、『GEOLANDAR』の良さを活かして次も良い走りを見せたいと思います」
梅本まどか選手(CUSCO YH ジオランダー HILUX)
【今回の成績:XC-2クラス優勝】
「今回、二日目最初のステージでスタート1分前に車内に蜂が入ってきたのが“大事件”でした。追い出せたので何事もなかったのですが、ちょっとビックリしましたね(笑)」
「番場選手とはペースノートが英語なのですが、滑らかに読んで聞きやすいようにという点をコドライバーとして意識しています。番場さんとは開幕戦以来の参戦ですが、ちょっと間が空きましたし開幕はウインターラリーでしたから、今回は少し違った部分もありました。読むトーンをあげるなどして滑らかに読みましたが、初日は走りに対して読むスピードを少し合わせきれなかった部分がありました。そこは二日目でしっかりアジャストして、番場選手にしっかり合わせていけたと思います」
「今回は全体的に落ち着いて対応できて、ロングステージでも走りきって『もう終わりなんだ』と思うくらいでした。いくつかトラブルにも冷静に対応できて、コドライバーとしてきちんと仕事をこなせました。チームのみなさんにもサポートいただいて、学びも多くうれしい一戦になりました。次戦『RALLY HOKKAIDO』でも今回得たことを活かして、番場さんの走りを支えていこうと思います」
開幕3連勝を飾ったCUSCO YH ジオランダー HILUX(番場彬/梅本まどか組) 2025年XCRスプリントカップ北海道第3戦ラリー・カムイ
XC-3クラスで優勝した相原泰祐/上原あずみ組(D-SPORT Racing ロッキー) 2025年XCRスプリントカップ北海道第3戦ラリー・カムイ
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