ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.07.03 16:06
中国が今月15日からインターネット身分証制度を施行する。中国政府がオンラインで住民登録番号と住民証役割をする別途のインターネット番号とインターネット身分証を発行するのが骨子だ。昨年6月末基準、中国全体のインターネット使用者は11億人を越え、インターネット普及率は78%となっている。
1日(現地時間)、英メディア「エコノミスト」はこのような中国のインターネット身分証導入を遠回しに「巨大な賭博」にたとえて「中国政府が国民のオンライン活動を統制する方式として根本的な変化をもたらし、人工知能(AI)技術の発展にも影響を及ぼしかねない」と指摘した。中国政府が収集したデータが中国のAI技術を一段階と発展させるために大きな役割を果たす可能性もあるが、それと同時に中国人は以前よりも厳しいオンライン検閲に直面することになるという懸念だ。
これに先立ち、中国公安部と国家インターネット情報弁公室は昨年7月にインターネット身分証制度の導入を予告した。エコノミストによると、1年の試験運用期間中に約600万人がインターネット身分証の発給を受けた。インターネット身分証は専用アプリを通じて顔面認識、携帯電話認証手続きなどを経て受け取ることができる。この身分証で各種ウェブサイトとアプリ接続はもちろん、コメントも作成することができる。インターネット身分証は現在任意加入によって運用されているが、間もなく義務化される可能性もあるという。
中国当局は「短期的には個人情報流出などによる被害を防止するのがインターネット身分証導入の目的」と主張している。あわせて「個人情報のための防弾チョッキ」と宣伝している。
だが、専門家の間では中国が中央政府次元で厳しいインターネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」を運用していることからオンライン上での統制と監視がより一層強化されるのではないかという懸念が深まっている。たとえば個人がインターネット身分証で接続したすべてのウェブサイトとアプリリスト、コメントなどを収集できるということだ。「インターネット身分証制度はグレート・ファイアウォールが進化した形」という評価も出ている。
昨年中国清華大学法学院の労東燕教授が中国のソーシャルメディアである微博を通じて「インターネット番号、インターネット身分証はすべてのネットユーザーを対象に設置する監視機械」として反対意見を明らかにしたところアカウントが停止されることもあった。
長期的には米中技術覇権競争が激化する状況で中国が集積されたデータを基にAI技術を発展させることができるという予測もある。エコノミストは「中国の米国産高性能AI半導体購入は禁止されているが、膨大な高品質データでアルゴリズムを訓練させれば競争優位を確保することができる」と伝えた。
一方、中国政府のずさんなデータ管理も問題として指摘される。エコノミストは「2022年にハッカーが上海警察のデータベースから10億件の個人情報を奪取した」とし「だが、中国の検閲システムのために該当事件は広く知られなかった」とした。
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