ブラジル政府、議会の金融取引税引き上げ却下を不服として提訴

7月1日、ブラジル政府は、特定のクレジット・外国為替・個人年金の取引に課す金融取引税(IOF)を引き上げたルラ大統領の政令を同国議会が却下したことを不服として最高裁判所に提訴した。ルラ大統領。3月18日ブラジリアで撮影(2025年 ロイター/Adriano Machado)

[ブラジリア 1日 ロイター] – ブラジル政府は、特定のクレジット・外国為替・個人年金の取引に課す金融取引税(IOF)を引き上げたルラ大統領の政令を同国議会が却下したことを不服として最高裁判所に提訴した。

メシアス連邦総弁護庁長官は記者団に対し、IOFの引き上げを却下した議会決定は憲法上の権限を踏み越え、法的な不確実性を生み出したと批判した。

一方で野党からは政府の提訴に対し、三権分立を破壊するものだとの批判が出た。

ルラ氏は今年5月、歳入を増やし、財政ルールの順守に必要な歳出凍結の規模を制限するためにIOFを引き上げた。政府はこれにより、2025年に120億レアル(約22億ドル)の歳入増になると試算していた。

メシアス氏は「もしも私たちがこのような動きをしていなかったら、政府のある部門から別の部門への干渉を許していたことになる」とし、提訴について「私たちのアプローチは法的に厳密なものであり、政治的なものではない」と訴えた。その上で、議会の却下は「行政府の長が責任を負う経済・税制政策に影響を及ぼし、三権分立の原則に反することにつながる」と反論した。

中南米最大の経済規模を持つブラジルは、25年に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を解消し、26年に国内総生産(GDP)の0.25%の黒字を計上することを目標としている。しかし、エコノミストらはこの目標を達成できるのか懐疑的な見方をしている。

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