約3週間続いた、北海道の”まん延防止等重点措置”が、7月12日に解除されました。
繁華街の人出は戻ったのでしょうか?
解除後も時短要請が続く札幌市中央区の繁華街「ススキノ」と、時間の規制がなくなった北海道小樽市の、解除初日の夜を追いました。
札幌市の担当者:「まん延防止等重点措置は終了したんですけども、7月12日から25日まで『夏の再拡大防止特別対策』となっていますので、引き続きご協力お願いします」
野暮天 高橋 憲理 店長:「しっかり守りながら感染対策やっていきますので、よろしくお願いします」
札幌市では、「まん延防止等重点措置」の解除後も、7月25日まで飲食店への時短要請が行われます。
酒類の提供は午後8時まで、営業時間は午後9時までと、今までより1時間延長されました。
居酒屋「野暮天」は6月21日に約1か月ぶりに営業を再開し、時短要請に応じてきました。
野暮天 高橋 憲理 店長:「1時間のびたことは安心でうれしい。『ラストオーダーまであと5分』と言ったら帰る客もいた。その客をとりこめる部分はかなり大きい」
午後7時30分過ぎに来店した客:「1時間は大きいですね。一人暮らしなので、自炊も仕事終わりは面倒で」
閉店時刻の午後9時。営業時間は4時間です。
野暮天 高橋 憲理 店長:「来店客は4組15人ぐらい。午後8時までの営業より1時間のびたことによって、1組あたりの客単価が増えているのは確かです」
多くの店が閉店したあと、札幌市中央区の「大通公園」では、いわゆる「路上飲み」をする人の姿も。
路上飲みをする人:「(午後9時に飲食店が終わるのは)悲しいし満足感がない。時間が足りない。時間を気にせず飲めるのは、公園の特権」
一方、小樽市内の飲食店では感染対策を行った上での、酒類の提供や営業時間に制限がなくなりました。
常連客:「まん延防止等重点措置が解除になったら、ママを『頑張りましょう』と励まさないと」
「スナックみはる」では約2か月にわたり休業や時短営業を行い、カラオケも中止していましたが、通常営業を再開。
7月12日は午後11時まで営業し、2組4人の客が訪れました。
スナックみはる 長谷川 正子さん:「やっぱりいいですね、歌えるってことが。カラオケを皆さん楽しみにしてくれてるから」
通常営業再開の喜びの反面、不安を口にする飲食店も。
北海道料理 かすべ 森田 満太郎さん:「これだけ家で飲むことに慣れてしまったら、なかなか外に出てこない気がする。8割くらいが北海道外の客で、2割くらいが北海道内。北海道内は札幌市からの客が多いんですが、このような状況ですから札幌市からの客も期待できない」
「北海道料理 かすべ」では解除初日は全く客が入らず、午後9時に早じまい。
まん延防止等重点措置が解除されても厳しい状況が続きます。
まん延防止等重点措置が解除され、人出は増えたのか。地下鉄「すすきの」駅での7月12日の解除初日と、1週間前の5日を比較すると、午後8時時点で1万6000人以上増えているのがわかります。
とよひら公園内科クリニックの藤本晶子院長は、「飲食店の時短要請は、一律で時間を決めるのがいいのか。仕事が終わるのが遅く、店が閉まっている夕食弱者もいる。例えば入店して1時間半や2時間で時間で区切る方法もある。どうやったら前向きにやれるか模索してほしい」と指摘しています。
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