米国とベトナムは、貿易協定の枠組み合意を目指す交渉の最終局面に入っている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。米国はベトナムを経由した中国製品の迂回(うかい)輸出を懸念している。
関係者によると、協議は進展しており、ベトナム側は米関税率20-25%を求めているという。関係者は非公開協議などを理由に匿名を条件に語った。
トランプ米大統領は4月、対ベトナム上乗せ関税を46%と発表したが、その後、発動を延期した。
関係者によれば、今回の合意には中国製品の迂回輸出への取り締まり強化や、非関税障壁撤廃など米国側の要求も反映される見通し。最終合意案の詳細は明らかになっていないが、ベトナムはこれまで、対米関税の全廃や貿易の取り締まり強化、米国製品の輸入拡大といった譲歩案を提示していた。
トランプ氏の最終承認を得るため、協定の枠組みはなお調整中であり、20日に首都ワシントンで詳細を詰める協議が予定されていると関係者は述べた。
ベトナム外務省にコメントを求めたがすぐに返答はなかった。ホワイトハウスはコメントを控えた。
ベトナムは米政府にとって特に難しい交渉相手となっている。同国は一部の米政府関係者から、アジアで中国に対抗するための戦略的パートナーと見なされており、その消費財輸出は米消費者に不可欠となっているためだ。
米中対立が激化する中、過去10年で多くのブランドが中国からベトナムへの生産拠点移転を進め、ベトナムは世界有数の生産拠点となった。46%の米関税が課されれば、歴史的な産業ブームは深刻な打撃を受ける可能性がある。
原題:US, Vietnam Move Closer to Trade Framework as Deadline Nears (1)(抜粋)
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