
米国のバイデン前大統領(民主党)が国定記念物に指定した西部カリフォルニア州内の2カ所について、トランプ大統領(共和党)に取り消し権限があるとの法的見解が政府内でまとめられたことが10日、明らかになった。ワシントンで1月撮影。(2025年 ロイター)
[10日 ロイター] – 米国のバイデン前大統領(民主党)が国定記念物に指定した西部カリフォルニア州内の2カ所について、トランプ大統領(共和党)に取り消し権限があるとの法的見解が政府内でまとめられたことが10日、明らかになった。トランプ氏は指定取り消しの是非を検討していたが、意向にお墨付きが与えられた形だ。
法的見解を巡っては従来、ルーズベルト政権の1938年に大統領権限を制限した司法長官見解に基づいてきたが、覆されることになった。これにより、国定記念物に指定された土地のうち、最大で数百万エーカーにも及ぶ可能性のある区域について、トランプ氏が連邦政府による保護解除へ向けて動き出す見通しだ。
国定記念物の指定を取り消した大統領は過去にいない。
見解変更を巡っては、ホワイトハウスが司法省法律顧問局(OLC)のラノラ・ペティット局長に新しい見解を出すよう要請していた。新見解の文書は5月27日付だった。
バイデン氏は任期満了直前の今年1月、先住民族に重要な意味を持つ同州のチャックワラとサッティトラ高地を国定記念物に指定した。
バイデン氏が指定の根拠としたのは1906年古物法で、それまでの歴代大統領が100を超える指定の際に依拠していた。しかしトランプ氏は、バイデン氏指定の同州2カ所について取り消すかどうか検討。それに伴ってホワイトハウスがOLC局長に新見解を求めていた。
文書の中で同局長は、古物法が大統領に付与した権限は、連邦政府の土地を国定記念物と指定することに限定されていないと解釈。そもそも政府保護に不適応だったか、保護に値しない土地だと判断する権限もあると結論付けた。さらに「古物法には、指定権限がある以上は取り消しの権限も付随している」と述べた。
ホワイトハウスのフィールズ副報道官は新たな法的見解について声明を出し、「石油やガス、石炭、地熱、鉱物資源の開発のため連邦政府の土地や水域を貸与できるよう(旧来の法律見解から)解放する必要がある」と述べた。
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