6月5日、 米国株式市場は不安定な取引の中、下落して引けた。電気自動車(EV)大手テスラの株価が急落し、トランプ大統領と習近平・中国国家主席の関税交渉進展のニュースを相殺した。ニューヨーク証券取引所で4日撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[ニューヨーク 5日 ロイター] – 米国株式市場は不安定な取引の中、下落して引けた。電気自動車(EV)大手テスラの株価が急落し、トランプ大統領と習近平・中国国家主席の関税交渉進展のニュースを相殺した。
テスラ
(TSLA.O), opens new tab株は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とトランプ氏との間で公の確執が激化する中、商いを伴って14%以上下落した。同社株は過去5営業日のうち4日下落している。トランプ氏とマスク氏が言葉の応酬を始めてから、テスラは約1500億ドルの価値を失った。
マスク氏はここ数日、大統領の大規模な税制法案への批判を強めている。一方、トランプ氏は法案が電気自動車購入に対する税制優遇を取り上げるため、マスク氏が怒っていると主張した。
トランプ氏と習主席は5日、電話会談を行い、両国間で高まる貿易摩擦やレアアース(希土類)を巡り議論した。
投資家は電話会談の要約にあるように、両氏が互いをそれぞれの国に招待したというニュースにも注目していた。
重要な鉱物を巡る最近の対立は米中間の脆弱な貿易戦争休止を引き裂く恐れがあった。
GSAMのキャサリン・ボードルメイ氏は「最近の市場の動きは、経済政策の転換と、地政学的・ヘッドライン的な感度の高まりによって、株式市場が以前のサイクルよりも大きなボラティリティーと速度を特徴とすることを示している」と述べた。
4日に発表された民間雇用者数とサービス部門のデータが予想を下回り、貿易を巡る不確実性による景気減速への懸念が高まった。6日発表の雇用統計が注目される。
5日発表された新規失業保険週間申請件数は2週連続で増加した。 もっと見る バーボン「ジャックダニエル」を製造する蒸留酒大手ブラウン・フォーマン(BFb.N), opens new tabは約18%下落。通期の減収減益見通しが嫌気された。日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)(PG.N), opens new tabは今後2年間で全従業員の約6%に当たる7000人を削減すると発表。株価は1.9%下落した。 もっと見る
米取引所の合算出来高は173億株。直近20営業日の平均は179億株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.11対1の比率で上回った。ナスダックでも1.48対1で値下がり銘柄が多かった。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場
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