中国政府がこの1週間でレアアース(希土類)輸出制限の緩和を徐々に実施している。米企業のロビー団体、在中国米国商工会議所の代表が明らかにした。米政府当局者は、中国が輸出制限の解除を約束通り進めていないとして不満を示していた。
同会議所のマイケル・ハート代表は「業界が望んでいるスピードよりは遅いが、いくつかの承認が下りている」と指摘。「一部の遅れは、中国が輸出承認の新しい仕組みに対応しているためで、輸出を許可していないというわけではない」とした。
レアアースの輸出規制は米中の火種となっている。トランプ米大統領は5月30日、中国がスイス・ジュネーブでの合意に違反していると非難していた。
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中国はレアアースおよび軍事用途の他製品・技術の輸出を米国の28組織に対して制限していたが、5月中旬にこの措置を一時的に停止した。米中貿易合意の一環で、中国商務省の発表文によれば、停止措置は5月14日から90日間にわたり実施される。
軍事用途の製品の輸出企業は、この猶予期間中に輸出許可を商務省に申請できるようになった。あるアジアの主要輸入国の企業は先週から許可を受け始めていると、同国の当局者が匿名を条件に明らかにした。
米中の緊張は、ここ数週間で高まっている。米国は、華為技術(ファーウェイ)製の先端半導体の使用について各国に警戒を促し、半導体設計ソフトウエアや航空機エンジン部品の対中輸出に新たな制限を導入した。さらに中国人留学生に対するビザの取り消し計画を発表した。
中国政府は、華為を巡るトランプ政権の警告はジュネーブでの合意を損なうものだと非難している。
ベッセント米財務長官は5月29日、中国との貿易協議は「やや停滞している」と述べたうえで、両国首脳による電話会談が合意に向けた鍵になるかもしれないと指摘した。
米地質調査所によると、中国は世界のレアアース生産量の約70%を占めている。レアアースは戦闘機や電気自動車などあらゆるものに必要で、米国が中国の供給に依存していることから、地政学的な武器になり得ると見なされてきた。
原題:AmCham President Says China Isn’t Blocking Rare Earths Exports(抜粋)
