トヨタ自動車は、米国市場における電気自動車(EV)の需要拡大に期待している。仮に需要が見込めなかった場合には、輸出に活路を見いだす構えだ。

  同社は米国製EV2種の生産を来年に開始する予定のほか、今後数カ月に米国市場に3種のEVを新たに輸入することも目指している。既に販売中の2車種を含めると、2027年半ばまでに計7車種のEVが米国の販売店に並ぶことになる。

  これらEVは、トヨタが世界で展開する全車種に今年中に電動化オプションを提供するという同社の目標達成に寄与するだろう。現在トヨタおよび同社の高級車ブランド「レクサス」が米国で販売する車種のうち、ハイブリッドあるいは完全EV仕様のモデルは8割弱となっている。

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米ケンタッキー州ジョージタウンの工場で生産される「カムリ」

Photographer: Luke Sharrett/Bloomberg

  トヨタは通常、年間10万-15万台の販売が見込めない限り、新たなモデルを工場の生産ラインに加えることはない。同社の幹部は米国でのEV販売について、緩やかながらも着実に伸びるとの見通しを示している。一方で、米国外市場ではより速いペースでEVが普及しており、米国内需要を上回る生産分の受け皿となる可能性がある。

  トヨタ北米事業で企画・戦略担当のシニアバイスプレジデントを務めるクーパー・エリクセン氏は、「毎年少しずつ販売台数を増やし、市場とともに成長していく」とインタビューで発言。「ただし、カナダでどれだけ需要があるか、米国ではどれだけ売れるか見極める必要がある。その上で、他のグローバル市場への輸出は可能だ」と話した。

  もっとも、トランプ米大統領の関税措置による米自動車市場の混乱や報復的な貿易戦争が起きないことが前提となる。

  調査会社コックス・オートモーティブ傘下のケリー・ブルー・ブックによれば、米国のEV総販売台数は昨年7.3%増加し、およそ130万台となった。しかしトヨタの米EV販売台数は2024年に3万台未満にとどまった。これに対し、ハイブリッド車の販売は大幅に増加した。

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カリフォルニア州ロングビーチ港に並ぶトヨタ車

Photographer: Kyle Grillot/Bloomberg

原題:Toyota to Sell Seven EV Models in US, Send Surplus Cars Overseas(抜粋)

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